2026.09.01 部員ブログ
『転換期』(3年 廣本瑞季)

ホームページをご覧の皆様、こんにちは。
慶應の大谷翔平こと米口和花からバトンを受け継ぎました、文学部3年の廣本瑞季と申します。のんちゃんと私は、背の高さと髪型が似ているからか、練習中に名前を間違えそうになるというクレームが来ることがあるのですが、私はプレーでも大谷翔平、、いや、のんちゃんに間違われたいという野心を抱いています。なので、誰かいつかそんなクレーム(=褒め言葉)を入れてくれると嬉しいです。
さて、リレー日記を書くのも3度目となりました。昨年のリレー日記がどうやら好評だったようで、「文豪」という身に余るような別称までできてしまい、執筆に多少のプレッシャーを感じています。ここは一つ、ご期待に応えるべく深みのある文章を書こうか迷いましたが、今回は昨年とは毛色を変え、素直に今の自分の気持ちを綴ることにしました。拙い文章ですが、最後までお付き合いいただけると幸いです。
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5月9日の東京国際大学戦。私は初めてまとまった時間、リーグ戦のピッチに立った。ピッチに入って見た景色は鮮やかで、ピッチにいるようでいないような不思議な感覚があった。5月16日の神奈川大学戦。初めてリーグ戦の試合開始の笛をピッチの上で聞いた。この時の心臓の高鳴りと高揚感は、今でも鮮明に思い出すことができる。
遡ること4月頭の自主練中、自分の中で確かな変化があった。「今までと蹴る感覚がなんか違う。」何かが大きく前進する時の「ある時突然変わる」まさにその感覚だった。これまでの道のりが長く、このまま終わってしまうんじゃないか、この努力の仕方でいいのか、そんな怖さとずっと1人で戦ってきたからこそ、ようやく来たという安心感が喜びや驚きを凌駕した。
これまでの2年間、出場時間がほとんどなかった私は、チームの結果に大きく心を動かされることもなく、ただベンチから眺めることしかできなかった。そんな自分が嫌で、悔しいとも思えないことが悔しくて、どうにかここから抜け出したいと思っていたからこそ、ピッチに立てた時はこれまでの努力が少し報われた気がした。ピッチに漂う空気も、結果を背負うプレッシャーも、これまで味わいたくても味わえなかったもので、その一つひとつが新鮮だった。だが、同時に、チームに貢献することの難しさも味わった。自分が流れを変えると意気込んで入るものの何もできずに終わり、FWなのに無得点。何より一番の壁は、自分のラベルに自分で飲み込まれそうになることだった。私には、ピッチに立つ時に心の支えになるような経験則も試合勘もない。みんなにとっての「当たり前」が、自分の中にないことも多い。サッカーエリートだらけの世界でそんな未完成な自分を見る度に、どこまでも落ちていけるような、そんな感覚に陥りそうになる。それでも、ピッチに立つ以上は、経験の浅さは免罪符にはならない。相手にとっては自分のバックグラウンドなんて知ったことではないと分かっているからこそ、自分のラベルは自分で剥がしてからピッチに入る責任があると思うけれど、それもまた簡単なことではなかった。
これまでの努力は、どちらかと言えば、「できて当然」のラインに並ぶための努力だった。例えるなら、無数の穴が空いたバケツの穴をひたすら塞ぐ作業。ここからは、そこにどれだけの水が貯められるかが努力の目指す先になると思う。その点、ようやく本当の意味での勝負が始まったと言ってもいい。「いつか、必ず、チームに貢献できる選手に成長して見せます」。そう入部時のリレー日記で綴った覚悟を、私は最後まで背負い抜きたい。だが、そのためには、克服しなければいけない課題がまだたくさんある。掴めきれていない感覚、判断の引き出しの少なさ、選択に迷った時のプレーの質。なかなか自分の思い描いたプレーができなくて苦しいけれど、叶うかも分からなかった夢が、これからの努力次第では本当に叶いそうなところまで来ることができたのなら、あとはもうやるしかない。いくら注いでも水がこぼれていくような成果の見えない時期でも、練習に最初入れなくても、それでも頑張れた自分なら、きっとこれからも頑張れる。サッカーを続けられない現実を受け入れるために、好きという感情も、やりたいという感情も捨てて、新しい競技でやり抜いた自分なら、きっとこれからも乗り越えられる。これまで、どれだけ頑張ったって、競技が変わればそれまでの努力は一瞬でなかったことになるのが辛かったけど、これまでの自分がこんなにも、これからの自分を信頼できる根拠になってくれているのなら、ここまでもがいてきた日々も、今は少し誇らしい。
自分を取り巻く環境も、経験の機会も、選べる選択肢も、自分の力ではどうしようもないこともある。それでも、自分の力が及ぶ範囲で最大限頑張れる、自分が変えられる範囲で最大成長速度を出し続けられる、そんな人間でありたい。残された時間はあと一年半。サッカーに打ち込むことを許された時間は他の人より限られているけれど、短い命であっても、大きな花を咲かせたい。
そして最後に、私にはもう一つ簡単に諦めたくない理由がある。それは、ここまでアドバイスをしてくれた人達を簡単には裏切りたくないから。もらったアドバイスを書き留めたノートを見返すと、どれだけの人が、どれだけのものを私に注ぎ続けてくれたかに気付かされる。私がここまで来ることができたのは、入部した頃からずっと、時間を取ってでも、何度でも、教えてくれた人がいたから。自分の可能性を信じて伝え続けてくれる人が、成長を待ってくれる人がいるから。だからこそ私は、注いでくれたものを自分の血肉にして、プレーで、結果で、その恩を返したい。
今のチーム状況は、12チーム中10位。入れ替え戦圏内。大好きな先輩達と1日でも長くサッカーをするために、見たことのない景色を見に行くために、私もここから這い上がる戦力になりたい。今の自分では、それは身の程知らずの願望だと分かっているけれど、自分ならできると信じて、大好きなサッカーを心から楽しんで、等身大の自分が叶えられるまで足掻き続けることをここに誓い、今年のリレー日記としたいと思う。
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次は、部活と勉強どちらも手を抜かない学年一の勤勉家で、実家がピアノ教室なのにピアノが弾けないことでお馴染みの堀田朱花にバトンを渡します。朱花は、惚れ惚れするような歌声の持ち主で、「しゅかみょん」や「しゅかシードック」など数々の異名を持ち、一昨年末の同期会では、弾き語りで同期全員を虜にしていました。普段はあまり多くを語らない彼女ですが、一度決めたらとことんやり続けるストイックさと直向きさを持つ、そんな彼女が何を綴るのか。乞うご期待です。
まとまりのない文章でしたが、最後までご覧いただきありがとうございました。これからも慶應ソッカー部女子への応援のほどよろしくお願いいたします。

