女子部の歴史
始まり
慶應義塾大学体育会ソッカー部OBの親睦チームKBFの総会にて「女子サッカー部作り」が可決された。その頃SFC(慶應義塾湘南藤沢キャンパス)のとあるサッカーサークルにおいて数人の女子メンバーが女子チームとして活動しようとしていた。慶應の中で唯一の女子サッカーサークルだったこともあり、年に数回設定されたKBFとの試合に女子メンバー達が集まることになった。しかし当時その女子チームに殆どメンバーはおらず、それらの試合にも慶應大学の女子メンバーは1,2人しか参加していなかった時期が1年ほど続いた。「女子チーム」としての活動は実質的には何もなかった。
1998年度
チーム作りが本格的に開始された。しかしメンバーも集まらず、練習場所もない。本当に右も左も分からない状態でのスタートだった。夏にはKBFの紹介でつくばフェスティバルに参加した。この年慶應からの参加者は7名(しかもその内3名は高校生)で、和歌山大学のサッカー部との合同チームでの参加だった。統一されたユニフォームもなく、ビブを着ての試合だった。前期は練習どころかサッカー協会へのチーム登録すらしていなかった。 KBFの支援でユニフォームだけ15着あり、この年12月頃関東大学生女子サッカー連盟に仮加盟した。年も暮れに近づく頃、翌年3月の東京都女子サッカー大会参加に向けて細々と練習を開始した。練習場所は主に河川敷か、窓ガラスの割れた廃車が捨ててある、シンナーのような臭いが立ち込めている工場の間にあるグランドだった。練習参加者は常に5,6名だった。東京都女子サッカー大会は予選リーグ3試合で散った。知り合いを総動員してかき集めたメンバーで、試合の直前で自己紹介をしているようなチームだった。でも11人でサッカーが出来たことが幸せだった。
1999年度
「チーム」が出来たと言えるならば、この年だろう。新入部員6名。関東大学女子サッカー連盟にも正式に加入した。前期は週1,2回多摩川河川敷等で練習。参加人数は平均3名だった。授業の関係で練習はいつも夕方、夕日がまぶしい多摩川には誰もいなかった。夏には前年同様つくばフェスティバルに参加した。この年は単独チームでの参加だった。しかしこれはかなりの賭けであった。案の定、参加予定者のドタキャンが相次ぎ、結局大会中殆どの試合を7人で戦うことになったが、結果は2勝2敗1分けだった。戦術は何もなかった。後期、関東大学女子サッカーリーグに参加し、これもまた殆どの試合を7人で戦った。1試合だけ奇跡的に11人集まったことがあったが、11人でプレーし慣れていないので、人が多すぎて逆にやりづらいと感じた。結果は全敗。人が集まらなくて棄権した試合もあった。リーグ戦を戦っているという事実とリーグ戦のための選手を集めなければならないという忙しさで後期は練習がなかった。試合とその前のアップが唯一の練習時間だった。
2000年度
新入部員は11名(しかもかなりレベル高い)。試行錯誤を重ねながらもなんとか定期的に練習を行えるようになり、殆どの試合を11名で戦えるようになった。この年にこれ程の新入部員が入ったことがチームにとってはターニングポイントとなった。自信をつけ、4月に慶應大学に公認団体登録申請を行い、面接等を経て公認団体として認められた。顧問は経済学部の杉浦章介教授にお願いした。6月頃全日本サッカー選手権の神奈川県予選に出場した。夏には尾瀬レディースカップに参加、1勝もあげられず、1点も入れられず悔しい思いをした。戦術上の疑問点を一つ一つ全員で考えて解いていって、少しずつチームがサッカーを理解し始めた。そして9月から始まった関東大学女子サッカーリーグ2部においては7チーム中4位という結果を残した。このリーグ戦の途中からチームメンバーの紹介でブラジル帰りのコーチがチームのサッカーをみてくれることになった。そして2月には雪の降る中御殿場の大会合宿に参加した。春休み中も練習試合を重ね、チームのサッカーが段々出来始めてきた。
2001年度
新入部員6名。週3回2時間練習を行い、5月から積極的に練習試合を重ねていった。1,2年生が中心の若いチームなだけに経験を積むことが急務であった。東京都リーグに加盟。夏には尾瀬レディースカップに参加、2勝をあげる。チーム初の強化合宿も行い、関東大学女子サッカーリーグにおいては入れ替え戦出場をめざして奮闘する。
2002年度
調査中
2003年度
新入部員6名。全員初心者。週3回2時間の練習を行い、4月から練習試合や公式戦を重ねていった。3,4年生が中心となって新入部員を指導。コーチや部員の友人らも熱心に指導しに来てくれる。関東大学女子サッカーリーグにおいて、1部昇格を目指して練習を重ねていたが、2部3位という結果に終わり、1部との入れ替え戦には出場出来なかった。
2004年度
新入部員7名。経験者と初心者を含む。しかし、途中で退部者が数名出た。昨年と同じようにコーチや部員の友人らも熱心に指導しに来てくれる。関東大学女子サッカーリーグにおいて、1部昇格を目指して練習を重ね、2部2位となり、入れ替え戦にて筑波大学と戦う。しかし、7対0という大差で負けてしまった。東京都リーグでは、リーグ戦に順調に勝ち進み、決勝リーグで優勝し、翌年からは3部でプレーすることとなった。
2005年度
新入部員6名。経験者と初心者、2年生も含む。選手の一人のお兄さんとその友人がコーチとして就き、更に練習に力が入った。また大学リーグ1部昇格を目指して、格上のチームとの練習試合を数多くこなした。関東大学女子サッカーリーグでは、チーム創設以来初の2部優勝を飾った。そして入れ替え戦に出場することはできたが、学芸大学に6対0という大差でまたもや負けてしまった。東京都リーグは3部5位という結果に終わった。
2006年度
様々な方々の支援を受け、4月体育会ソッカー部女子としての新たな一歩を踏み出した。部室が出来、下田の専用グラウンドを使用することが出来、充実した監督・コーチ等のスタッフ陣を迎え、サッカーに集中することの出来る環境が出来上がった。 新入部員は2年生も含め4名。関東大学女子サッカーリーグ1部昇格、東京都リーグ2部昇格の目標を掲げ、サッカーの技術だけでなく、体力・当たり負けしない体作りのために走り込みや筋トレを含め週5日の活動を行った。大学からサッカーを始めた者が大半を占めるチームだったが、練習やミーティングを重ねることで、技術・戦術を磨いていった。 5月に公式戦(東京都女子サッカー3部リーグ)が始まり、東京都トーナメントにも出場した。都トーナメントは第1戦で敗退してしまったが、都リーグは順調に勝利を飾っていった。9月には大学リーグが開幕し、初戦で白星を飾った後、順調に勝ち進み、5勝1敗1分の成績で2部優勝を果たすことが出来た。そして出場を決めた入れ替え戦では、日本女子体育大学と対戦し、2対2の引き分けで惜しくも1部昇格を果たすことは出来なかった。 東京都リーグでも、7勝1敗1分の成績で3部優勝を果たし、2部へ昇格を果たした。
2007年度
体育会2年目の年。たくさんの方にサポートしていただき、「大学リーグ1部昇格」という目標に向って進んでいく。 新入部員は7名。3年生1名、2年生2名、1年生を4名迎える。また、この年初めて女子部にマネージャー、そしてAO入試で2名の新入生を迎える。 日に日に技術は向上し、また体育会としての誇りも出てくる。しかし部員総勢17名という状態にありながらも、常に怪我人が絶えなかった。大学リーグは順調に勝ち進み、最終節で大東文化大学に敗れるものの、2部準優勝という結果を飾り、入れ替え戦への切符を手にした。そして1年間目標にし続けてきた関東大学女子サッカーリーグの1部・2部入れ替え戦では、因縁の日本女子体育大学を相手に、結局0-4で負けてしまう。 東京都女子サッカーリーグ2部ではその3週間後、最終節にて日本女子体育大学を相手に2-0で逆転勝利収め、東京都リーグ1部昇格を果たした。
2008年度
総勢9名のスタッフの元、新シーズンが始まった。「3度目の正直として悲願の1部昇格を」と、過去2年の想いを強く胸に抱いてのスタートだった。 2月のシーズンインは、プレーヤー11人というギリギリの状態でのスタートだった。しかし春にはプレーヤー6名,マネージャー1名の計7名の新入部員を獲得した。その後夏に新たに2年生1名,1年生1名の新入部員が仲間に加わり、最終的に部員21名という過去最大の人数で我が部はシーズンを闘うことができた。 9月に関東大学女子サッカーリーグが開幕する。昨年度3部リーグより昇格をしてきた関東学園大学や1部より降格してきた東京学芸大学等山場の試合を迎え、関東学園大学戦では力及ばず2-4で負けてしまうものの、リーグ7勝1敗という結果、2部準優勝、入れ替え戦出場を決めた。 そしてついに迎えた11月24日、関東大学女子サッカーリーグ1部2部入れ替え戦。臨む相手は3年連続の日本女子体育大学。会場には多くのOB、OG、塾関係者、そして男子部が総勢100名駆けつけ、大きな応援となる。激しい攻防を繰り広げる中、我が部は先取点を奪うが、前半終了時には同点に追いつかれる。2-2で迎えた後半だが、中盤に相手に2得点を許し、2-4のまま試合が続く。残り時間が少なくなった試合終了10分前、男子部の熱い応援に後押しされるように、我が部の大逆転劇が始まる。ラスト8分で一気に2点を返すと、ロスタイムにも待望の1点を奪い、そのまま試合終了、劇的な勝利を収め、1部昇格を掴みとった。 前年度1部に昇格した東京都リーグも、大健闘の末4勝3敗1分、1部4位という結果でシーズンを終えた。また今年度我が部は、自分たちの軸となる理念となる、『不可能への挑戦』『積み重なる信頼』『ピッチから始まる貢献』を掲げ、次年度に向けて創部初の関東大学女子サッカーリーグ、東京都女子サッカーリーグ共に1部という舞台を手にした。
2009年
関東大学女子サッカーリーグ悲願の1部昇格を遂げた前年度。興奮の熱も冷めやらぬ新チームに、吸い寄せられるように入部した新入部員6名。創部以来初となる1部の舞台へ、大きな期待感と、新境地への挑戦心を抱き、TEAM2009が始動する。
この年の大きな話題といえば、早慶サッカー定期戦の、国立競技場での男女共同開催である。しかし当日は生憎の雨天。試合時間を25分ハーフに短縮し決行した。応援部も駆けつけ、大声援を受けながらの対戦であったが、揺るぎない実力を持つ強豪・早稲田の猛攻に、慶應はひたすら耐えるしかなかった。しかし「絶対に負けたくない」という気持ちが通じたか、執念のディフェンスで、前後半共に無失点で抑える。早慶戦初得点という目標こそ叶わなかったものの、創部以来初となる0-0の引き分けで幕を閉じる。聖地・国立競技場での早慶戦という大舞台に、誰もが足が震える様な緊張感と高揚感を覚えた、忘れられない一日である。
そして開幕した第23回関東大学女子サッカーリーグ戦。1部リーグという初の大舞台に挑む。しかし、現実はそう甘く無く、終わってみれば全敗。10点差以上の大敗を喫した試合もあり、1部のチームとの圧倒的な差を、まざまざと見せ付けられたリーグ戦となった。しかし、「何も出来ない」というこの悔しい経験が、後の慶應の大きな原動力となる。
2010年
「両リーグ優勝」という年間目標と「絆のあるチーム」というテーマを掲げスタートを切ったチーム2010。新入生4人を迎え、昨年度の関東大学女子サッカー1部リーグ全敗、2部自動降格の悔しさを胸に、「1部で闘えるチーム作り」を念頭に日々の練習に取り組んだ。
メグミルクカップでは上位リーグ進出、早慶戦で敗れはしたものの史上初の得点、夏の山中湖合宿。特に合宿最終日に全員で富士山頂を訪れ、過酷な中で培った忍耐力や団結力は大きな糧となった。そうして様々な「初」を成し遂げ、大学リーグの舞台に備えた。
迎えた開幕戦vs大東文化大学。Nack5スタジアムでの開催であった。猛暑の中、接戦の末に3-2と何とか勝ち切った。その後も初戦の勢いを皮切りに大学リーグを全勝優勝で飾った。そしてもう一つの目標である「都リーグ優勝」に向けてラストスパートをかけた。最終節、暫定1位のスフィーダ世田谷FCに勝たなければ優勝はない。意気込む本塾は前半を3-1で折り返すも、後半2点を返され引き分けのまま試合終了のホイッスルが響く。初の都リーグ優勝を達成出来ず、次年度にその志を託したままシーズンを終えた。
2011年
前年度、関東大学女子サッカーリーグ2部において全勝優勝を果たし、1部に返り咲いた。この年の4年生は、2008年度、慶應が奇跡の1部昇格を成し遂げた年に1年生だったメンバーである。例年以上にパワーを持った新入生8名と2年生1名を迎え、新チームが始動する。
迎えた第25回関東大学女子サッカーリーグ戦。だがこの年も、大学リーグ1部という大きな壁に苦しめられる。結果としては、2年前同様1勝も挙げることが出来ずに終えることとなる。例年であれば自動降格だが、大学リーグが3部制から2部制に移行する為、幸運ながら入れ替え戦のチャンスを手に入れる。山梨大学との入れ替え戦は2-1で勝ち切り、次年度も1部で戦えることとなる。
1部リーグでの試合は、結果こそ2年前と変わらず全敗となってしまったが、選手達の戦っている感触としては、ただ何も出来なかった前回のリーグ戦に比べ、出来ることが増えてきたと感じたシーズンだった。
東京都リーグ1部で8勝1敗と健闘し、1位となったTEAM2011は、この年初めて関東女子サッカーリーグ入れ替えトーナメント大会に出場する。負ければそこで4年生は引退。全員が一日でも長くこのチームでプレーしたいという想いで試合に臨む。しかしトーナメント2回戦、太田レディースに苦戦を強いられ、また怪我人も続出する。試合は0-2で終了し、TEAM2011最後の戦いが、静かに幕を閉じた。
2012年
前年度、関東大学女子サッカーリーグ1部で最下位に終わるも、入れ替え戦で勝利し、初の1部残留を果たした。過去2回1部の舞台でインカレを目指し戦ってきた4年生は、何としてもインカレ出場を達成すべく「インカレベスト4」という高い目標を掲げ、AO入試で6人の1年生を迎えてチームが始動した。
4月から関東Liga Studentに初出場し、予選ではブロック1位という好成績を残した。
6月、早慶定期戦を日吉陸上競技場で敢行。生憎の雨にもかかわらず500人以上の観客が集まり、ネット中継でも沢山の方が見守る中、慶應は劇的な先制点を決める。念願の初勝利に手が届くかと思われたが、その後1点を返され、引き分け。関東大学リーグでのリベンジを誓った。
8月、熱い日差しの下開幕した関東大学リーグ。初戦は日本体育大学に惨敗するも、前だけを向き戦い続ける。だんだんと慶應らしいプレーが出来るようになり、初の勝ち点1を獲得した。しかし最終結果は8敗1分、2部自動降格という厳しいものだった。このままでは終われない。TEAM2012は「関東リーグ昇格」という新たな目標に向かって進み始める。
東京都リーグ1部で2連覇を果たすことが出来、前年に続き関東リーグ入替トーナメントに出場。関東リーグ昇格に向けて一戦一戦に全力で臨む。しかし第2戦、関東大学リーグ1部昇格を果たし勢いに乗る東京国際大学と対戦し、0-4で敗退。インカレ、そして関東リーグへの想いを後輩達に託し、TEAM2012は解散した。
2013年
“Giant Killing”
私達は、弱い。挑戦者の泥臭さ、ひた向きさを忘れるな。
この気持ちを胸に、スタートしたTEAM2013。しかし私達が直面したのは決して甘くない現実だった。早慶女子サッカー定期戦、0-5での敗北。東京都女子サッカーリーグ前期での黒星。”Giant”の大きさを知り、自分達のサッカーを見直すきっかけとなった。そして迎えた皇后杯全日本女子サッカー選手権大会東京都予選。史上初の優勝を成し遂げ、歴史に新たな1ページを刻んだ。
「一部昇格」を目標に掲げ、真夏の熊谷で開幕した関東大学女子サッカーリーグでは着実に白星を付けていく。慶應義塾下田グラウンドの応援席は、毎週ソッカー部女子を応援して下さる方々で埋まった。全勝対決となった国士舘大学戦にも、アウェイゲームにも関わらず多くの方が足を運んで下さった。しかし結果は振るわず0-3で関東大学女子サッカーリーグ2部2位が確定し、大東文化大学との入れ替え戦に臨むこととなった。
どちらも譲らず両者無得点のまま迎えた入れ替え戦後半。一瞬の隙を突かれて失点するが、希望を繋ぐ1点をストライカー1年堀井が決める。しかし引き分けのまま終了のホイッスルが鳴り、規定により来シーズンの2部残留が決定した。
TEAM2013最後の目標であった関東女子サッカーリーグ昇格は、東京都女子サッカーリーグ優勝チームにのみ与えられるチャンスであった。前期につけた黒星と、リベンジを懸けた国士舘大学戦での引き分けが痛手となり、本塾の自力での優勝はなくなっていた。第9節では、最終戦に優勝の望みを繋ぐ18点の大量得点を成し遂げることが出来たが、国士舘大学に勝ち点で上回られた為、結果はまたもや2位。関東大学女子サッカーリーグも、東京都女子サッカーリーグもあと一歩が及ばず悔しいシーズンとなった。しかし、シーズンを通して今までになく沢山の方々が応援に駆け付けて下さり、皇后杯全日本女子サッカー選手権大会東京都予選優勝という新しい1ページも刻むことが出来た。
そして、何としてもTEAM2014で一部昇格という目標を達成することを誓い、TEAM2013は解散した。
2014年
後一歩のところで「一部昇格」を逃した前年度の悔しさを胸に、部員全員で決めたスローガンは「まだ、いける。」この言葉と共に、悲願の「一部昇格」を目指してTEAM2014は始動した。練習時間帯の変更、リサーチ班の確立、フォーメーションの変更や、試合後の栄養補給の徹底等、目標達成の為にあらゆる面で変化を加えた。
前期シーズンの大一番である早慶女子サッカー定期戦は、等々力陸上競技場での男子との共同開催で、例年に増す盛り上がりを見せた。女子部史上最多となる1800人の観衆の下、宿敵早稲田大学との伝統の一戦は、惜しくもスコアレスドローとなり初勝利には至らなかった。また、早慶戦の3日前に行われた皇后杯東京都予選では、初戦でまさかの敗退。1ヶ月後に迫る大学リーグ開幕に向けてチームを見直すきっかけとなった。
束の間のオフシーズンが明けると、愛媛にて12日間に渡る夏の強化合宿を行った。関東Liga Student 2014では、チーム全員の力で準優勝という結果を収め、大学リーグに向けて良い流れを作った。そして、遂に迎えた大学リーグ。一戦一戦着実に勝ち点3を重ね、「一部昇格」へと順調に進みつつあった中で迎えた対山梨大学戦。痛恨の引き分けに、「このままで本当に一部に昇格出来るのか」と、チーム全体に不安が過った。しかし「まだ、いける。」というスローガンを胸に、TEAM2014は進み続ける。そして暫定1位で迎えた最終戦、順天堂大学との優勝決定戦に於いて、慶應らしく粘り強いプレーで戦い続けた結果は0-0の引き分け。得失点差で上回っていた本塾は悲願の「一部昇格」を果たした。
最大目標を達成したTEAM2014は、ここで終わらなかった。東京都リーグ優勝、そして史上初の関東リーグ昇格という新たな目標に向けて再始動した。順調に勝ち点を重ねて、2年振りの東京都リーグ優勝を勝ち取ると、迎えた関東リーグ入れ替えトーナメント大会では1回戦・2回戦共にPK戦まで縺れ込む死闘を制し、女子部史上初の関東二部リーグ昇格という快挙を遂げた。女子部の歴史にW優勝・W昇格という最高の1頁を刻み、来年度に最高の舞台を残して、TEAM2014は解散した。
2015年
関東大学女子サッカー一部リーグ昇格・関東女子サッカー二部リーグ昇格という成績を残し解散したTEAM2014。4度目の大学一部リーグの舞台、そして初めての関東二部リーグという、創設以来最も高いレベルで戦うこととなったTEAM2015は、「インカレ出場」という年間目標を掲げ始動した。4度目の大学一部リーグながら、未だ勝利を挙げたことのなかった本塾には高い目標にも思われたが、創設10年目という節目の年、昨シーズンの勢いに乗り改めて新しい目標に向かうべく、“ここから”というスローガンと共に、過去最多の部員数・35名での挑戦は始まった。
4月上旬に関東リーグが開幕し、開幕戦は尚美学園大学に勝利を収め、幸先良いスタートを切ったが、その後は上手く流れに乗れない試合が続く。
そして迎えた、前期シーズンの大きな山場である第14回早慶女子サッカー定期戦では、昨年に続き等々力陸上競技場での男女共同開催となり、前年度を超える大観衆の中、伝統の一戦は行われた。前半に先制点を奪い、初勝利にあと一歩と迫ったが、後半に失点を許し、その後は両者譲らず、引き分けのまま試合終了のホイッスルが鳴る。勝利には届かなかったが、最大目標の「インカレ出場」を懸けた大学リーグ開幕前に、自分達の積み上げて来たものに確実な手応えを感じることが出来た。
そして夏休みが始まり、厳しい走り込みを行った検見川での強化合宿や多くの練習試合を経て、遂に大学リーグ開幕を迎える。
開幕直後の早稲田大学・日本体育大学・国士舘大学との3連戦を通じて得たのは勝ち点1。「このまま勝利を挙げられないのではないか」と、チームには二部降格の恐怖すら募り始める。そして迎えた第5節対神奈川大学戦、逆転勝ちで一部での初勝利を挙げ、ソッカー部女子の歴史を塗り変えることが出来た。その後もレベルの高い一部の舞台でギリギリの戦いを続けながらも、第7位で「インカレ出場」権を獲得。2年連続で年間目標達成という快挙を成し遂げた。
その後も“ここから”というスローガン通り、 TEAM2015の勢いは止まらない。戦術理解を深め、コンセプトの明快な攻撃的サッカーで、参入初年度ながら関東二部リーグでも優勝。インカレでの目標を、4年生が入部した年・TEAM2012の最大目標であった「インカレベスト4」に設定し、決戦の舞台である兵庫県へと向かった。
初戦は強豪吉備国際大学と対戦し、格上の相手に対しても臆することなく戦い得点を奪うことこそ出来たものの、後半に追加点を入れられ惜敗。ベスト4の夢を叶えることは出来なかった。
インカレを含め、今までにない程遠いアウェイの地での試合が続く1年だったが、どんな時でもホームである下田グラウンドと変わらない多くの方の声援に後押しされ続けたTEAM2015。更なる高みへの挑戦を次のシーズンに託し、「初めて」の快挙を更新し続けた1年の闘いが、静かに幕を閉じた。
2016年
関東大学女子サッカーリーグ、関東女子サッカーリーグ共に1部の舞台という、創設以来最も高いレベルで闘うこととなったTEAM2016は、「インカレベスト4」という年間目標を掲げ始動した。目標を達成し、笑顔で西が丘に帰って来たい、応援して下さる人々を笑顔にしたいという気持ちから“Smile”というスローガンを掲げ、総勢34名での挑戦が始まった。
4月に開幕した関東女子サッカー1部リーグという初めての舞台では、思う様な結果が出ず、厳しい闘いが続いた。それでも、諦めずに迎えた後期第5節東京国際大学戦。下田のホームグラウンドで本リーグ初の勝利を収め、沢山の応援の中“Smile”で前期シーズンを締め括った。
今年度は、関東大学女子サッカーリーグ、関東女子サッカーリーグを含め、早稲田大学と4度の対戦が行われた。第15回早慶女子サッカー定期戦では、昨年に引き続き等々力陸上競技場で男女共同開催で試合が行われた。結果は、1-3と敗れたものの、最後に1点を返すことが出来た。
8月には、今年度の目標である「インカレベスト4」を達成すべく、インカレ出場の切符を争う関東大学女子サッカー1部リーグが開幕した。厳しい試合が続く中迎えた、第4節早稲田大学戦。激しい攻防が続く中、最後まで身体を張って守り切り結果は0-0。創設史上初めて、公式戦で早稲田大学から勝ち点を奪った。第7節順天堂大学戦で2-0と初勝利を挙げたものの、勝ち点を重ねることが出来ず1部リーグ第9位となり、2部リーグ第2位のチームとの入れ替え戦への出場が決まった。
入れ替え戦へ向け勢いを付けたいという思いで闘った関東女子サッカー1部リーグ最終節筑波大学戦では、0-2と敗れ本リーグの2部降格が確定した。
TEAM2016の最終試合は、大学リーグ2部の第2位であった筑波大学との入れ替え戦。アウェイの地でありながら、まるでホームの様な温かい応援の中闘ったが、惜しくも2-3で敗れ本リーグも2部降格が決まった。
厳しい闘いが続く中でも、沢山の応援によって支えられ続けたTEAM2016はこうして幕を閉じた。
2017年
関東大学女子サッカーリーグ、関東女子サッカーリーグ共に2部に降格し、悔しい形でTEAM2016は幕を閉じた。悔しい思いを抱えながらも前を向きまた塾ソッカー部は新たな気持ちで歩み始めた。塾ソッカー部女子に携わって来た全ての人の思いを「繋ぐ」。未来の塾ソッカー部女子がインカレの舞台に立てる様、1部のリーグへ「繋ぐ」。未だ勝ったことのない早慶戦に勝利し、新たな歴史に「繋ぐ」。様々な想いが込められた「繋ぐ」というスローガンの下「1部昇格」「早慶戦勝利」を目標に掲げTEAM2017は始動した。
「早慶戦勝利」を前期シーズンの最大目標の一つとして掲げ挑んだ第16回早慶女子サッカー定期戦は、これまで以上の熱い闘いとなった。前半の序盤、シュートを放つ場面があったものの、前半30分に失点してしまう。巻き返しを図り後半もシュートチャンスを作ったが、0-1で敗戦に終わった。次の日、猛暑の中挑んだ皇后杯東京予選準決勝対村田学園高校では相手の粘り強い守備に苦戦し敗戦。課題を残したまま前期シーズンは終了した。夏の練習を経て遂に迎えた大学リーグ。本塾は第3節まで大量得点で勝ち点を重ねた。好調であった様に思えたが、関東リーグでも勝つことが出来なかった尚美学園大学に敗戦を喫した。間の3戦を勝利で繋ぎ、これ以上の負けは許されないという思いでリーグ1位であった山梨学院大学に挑むも惜しくも1点差で負けてしまう。「1部昇格」を達成するには絶望的な状況となってしまった。しかし、本塾にはまだ得失点差でリーグ2位に上がり、1部2部入れ替え戦出場権を獲得するという兆しが残されていた。全てを「繋ぐ」という思いで挑んだ最終節山梨大学戦で勝利を収め、無事1部2部入れ替え戦出場権を獲得した。1ヶ月後の入れ替え戦では大勢の観客の中で5得点無失点という最高の形で関東学園大学に勝利し、12月10日、本塾は来年のインカレ出場へと繋がる大学リーグ1部に昇格した。
しかし、大学リーグ1部に昇格したTEAM2017にはまだ関東リーグ「1部昇格」というミッションが残されていた。前期の結果から「1部昇格」は厳しい様に思われたが、後期リーグが混戦した結果リーグ2位という形で1部2部入れ替え戦出場権を得ることが出来た。寒さも吹き飛ぶ様な熱い練習で冬場もトレーニングを積み、1月28日TEAM2017最後の試合へ臨む。当日はアウェイでの闘いとなったが、これまでにない多くの観客のお陰でホームの様な雰囲気で試合を迎えることが出来た。前半に先制点を取り、後半も2点追加点を挙げ、無失点に抑え3-0で東京国際大学に勝利し、関東リーグ1部昇格を決めた。大学リーグ、関東リーグ共に「1部昇格」し、ダブル昇格という最高の形でTEAM2017は幕を閉じ、来年度の最高の舞台へと繋いだ。
2018年
関東大学女子サッカーリーグ、関東女子サッカーリーグ共にダブル昇格という結果を残し解散したTEAM2017。その結果により両リーグ1部の舞台で闘うこととなったTEAM2018は「インカレベスト4」、「早慶戦初勝利」を目標に掲げ始動した。高い目標を目指す中で、苦しい時に“もう一歩”頑張ることで逆境に打ち勝ちたい、良い状況である時も慢心せず“もう一歩”上を目指したい。また、今までの伝統を保持しつつもこれからの新しいソッカー部女子を創っていく為に“もう一歩”踏み出したい。このような思いから、TEAM2018は“もう一歩”というスローガンを掲げた。
4月に開幕した関東女子サッカー1部リーグは、初戦から早稲田大学に1-9で負けるなど、思うような結果が出ず、厳しい闘いが続いた。それでも諦めずに迎えた後期第5節浦和レッズレディースユース戦。それまでの悔しさをぶつけ、下田のホームグランドで大逆転勝利を収め、前期シーズンを締めくくった。
また、今年度は、関東大学女子サッカーリーグ、関東女子サッカーリーグを含め、早稲田大学と4度の対戦が行われた。第17回早慶女子サッカー定期戦では、昨年に引き続き等々力陸上競技場にて男女同時開催で行われた。結果は、1-3と敗れたものの、最後に1点を返すことができた。
8月には、今年度の目標である「インカレベスト4」を達成すべく、インカレ出場の切符を争う関東大学女子サッカー1部リーグが開幕した。初戦の日本体育大学戦や第8節の早稲田大学戦では、格上の相手に対し、互角に闘い、引き分けに抑えることができ、貴重な勝ち点を積み上げた。
第2節の東京国際大学戦や第6節の武蔵丘短期大学戦では見事勝利を収め、10チーム中7位となり、創部史上2度目となるインカレ出場の切符を手にした。
インカレ本戦では、初戦を活水女子大学に5-0と快勝した。2回戦は関東第1代表の帝京平成大学と激しい闘いを繰り広げたが、1-2の敗戦となってしまった。しかし、創部史上初のインカレベスト16という結果を残し新たな歴史を刻んだ。
TEAM2018の最終試合は、関東リーグ1部2部の入れ替え戦となり、2部リーグ第2位の尚美学園大学との一戦となった。下田のホームグラウンドで行われ、勝利で締め括るべく、望んだ本塾であったが惜しくも2-3で敗れ本リーグは2部降格が決まった。
厳しい闘いが続く中でも、沢山の応援によって支えられ続けTEAM2018はこうして幕を閉じた。
2019年
関東大学女子サッカー1部リーグ、関東女子サッカー2部リーグ、で闘うことになったTEAM2019は、「インカレ優勝」という創部史上最も高い目標を掲げ始動した。
大学女子サッカーの頂点に立つ、その為にチームが一丸となって戦う。一つ一つ目の前の試合を大切にし、全員で勝利を目指し続ける。さらにスタッフ、OG、OB、保護者の方々を始め、塾ソッカー部女子を支えてくださる全ての皆様と一つになって闘いたい。このような想いを込めて、「ONE」というスローガンを掲げた。
7月に開催された伝統の一戦である、早慶女子サッカー定期戦では、初勝利を目指し全員で闘いに挑んだが、1-4で敗戦し新たな歴史を塗り替えることは出来なかった。この結果により早慶戦初勝利の快挙は来年度以降に託すこととなった。
日本一を目指す為にはインカレの出場権獲得を絶対条件とし、臨んだ関東大学女子サッカー1部リーグは、開幕戦を0-2 で敗戦し、それ以降も思うように勝ち点を積み上げることが出来なかった。
一ヶ月のリーグ中断期間でチームの課題に取り組みリーグ後半戦に挑んだ本塾は、大東文化大学に3-0で快勝し巻き返しを図る。しかし次節東洋大学戦では攻め込んだものの、得点を奪うことは出来ず、0-0という悔しい結果となり自力でのインカレ出場の可能性が危ぶまれた。その中でも僅かな可能性を信じ、残り2戦必ず勝利すべくチーム一丸となり闘いに挑む。
迎えた最終節、大量得点で勝利すればインカレ出場の可能性が残されていた本塾であったが、目標得点には至らず、他会場の結果により1部2部入れ替え戦へと回ることとなった。
チーム目標を達成することは出来なかったが、来年度以降に1部の舞台を繋ぐべく、TEAM2019最後の一戦に臨んだ。アウェイの地での闘いとなったが、多数の保護者をはじめ、OG・OBの皆様や、男子部の応援もあり、試合開始直後から本塾ペースで試合が進む。前半コーナーキックから得点し待望の先制点を挙げ優位に試合を進めると、さらにチームは勢いに乗り追加点を上げる。後半、相手に一点を返されるものの、本塾は勢いを止めずすぐに3点目を奪う。そして、試合終了のホイッスルが鳴り響き、選手の目には涙が溢れた。目標を達成することは出来なかったが、どのような状況であっても応援し続けてくださった方々の支えもあり、最後は笑顔で終えることが出来た。そして来年度に1部の舞台を残しTEAM2019は解散した。
2020年
新型コロナウイルスの影響で例年とは異なることも多くあったが「インカレ出場」「早慶定期戦初勝利」という目標を達成するべくTEAM2020は始動した。
一人一人の想いが仲間の力に。みんなの想いがチームの力に。私たちの想いが誰かの力に。そのような想いを込め、「想力」というスローガンを掲げた。4月開幕予定の関東女子サッカーリーグや7月開催予定の早慶定期戦も延期され、インカレに繋がる関東大学女子サッカーリーグが9月から開幕した。
目標達成に向け勢いに乗りたい本塾は初戦、先制点を獲得するものの大量失点を許してしまい敗戦となった。その後の試合でも勝利を手にすることが出来ず、結果5敗4引分でインカレ出場の目標は叶わなかった。
例年は大学リーグ終了と同時にシーズンも終了となるが、延期されていた早慶定期戦が1月9日に残されていた。
目標の一つであった早慶定期戦を勝利で飾る為、チーム一丸となって練習に取り組み、これまでの悔しさ、今年1年の想いをこの試合に全てぶつけようと全員で挑んだが、0-1で敗戦となり、TEAM2020全ての試合が終了した。
今シーズンを振り返ると激動の連続で試合や練習が出来ない不安、チームメイトに会えないもどかしさ、リーグで勝てない焦り、、、悔しさ溢れる1年だった。
だが、スローガンである『想力』を体現しようと、全員での走り込みや全員でのMTGなど、人数が少ないからこそ全員で走り続けて来た時間は、掛け替えのないものだったと感じている。
模索しながら駆け抜けたTEAM2020は来年度に想いを託し、解散した。
2021年
TEAM2020で達成できなかった「インカレ出場」という目標に再び挑戦するべく、「インカレ出場」を目標に掲げTEAM2021は始動した。
少人数ながら、全員がチームのためにできることを模索し、「人の心を動かす」というビジョンを掲げた。関東大学女子サッカー1部リーグは今年度から前期・後期の計22試合の実施となり、新型コロナウイルスの影響を受け過密日程の中で行われた。
目標達成に向けて勢いに乗りたい本塾は開幕戦、後半に同点に追いつくも、直後に逆転を許してしまい敗戦となった。その後の試合も勝ち点を手にすることができなかった。さらに後期リーグでは大量失点での敗戦が続き、リーグ最下位となり大学リーグ1部2部入れ替え戦に回ることになった。
TEAM2021にとってはシーズンラストゲームとなる十文字学園女子大学との入れ替え戦は12月5日に行われた。何としてでも1部の舞台を残すべくチーム一丸となって練習に取り組み、1年間の想いを全てぶつけようと奮闘したものの、0-1で敗戦となった。全員が力を出し切ったが、結果として2部降格という形でTEAM2021はシーズンを締め括った。
人数が少ないことに加え怪我人も多く、困難の多かったシーズンではあったが、そのような中でも全員が「人の心を動かす」というビジョンを体現しようと励んだシーズンであったと感じている。
来年度に1部の舞台を残すことはできなかったが、今シーズンの想いを来年に託し、TEAM2021は解散した。