リレー日記

『デビュー戦、フィールドとして出場したキーパーの話』(3年行德のえ)

ホームページをご覧の皆様、こんにちは。

いつもソッカー部女子を応援していただき誠にありがとうございます。同期の髙橋佳里から紹介に預かりました、法学部政治学科3年の行德のえと申します。

彼女は大体私のことを把握していると言っていましたが、本当にその通りです。なので、最近は思考が読まれているのではないかとビクビクしながらボケています。いつもツッコミありがとう。また、頭が良いと褒めてくれましたが、「ただ雑学をたくさん知っているだけ」ということと、文才と語彙力に欠けるため、期待に添えるような文章を書けるかは分かりません。そして彼女が言う通り、今シーズン私が経験してきたことはとても独特でした。今回のリレー日記はその経験について書かせていただきます。拙い文章ではございますが、どうか最後までお付き合いいただければと思います。

前回のリレー日記でも書いたが、私は昨年からゴールキーパーとして選手復帰をした。私から見た公式戦用のキーパーユニフォームは大好きなバルセロナのユニフォームよりも遥かにキラキラしていて、早くそれを着て出場したかった。部屋に飾って毎日練習前に眺めていた。だが、大学でのデビュー戦に私は黄色のユニフォームを着て出場した。

ソッカー部女子は長らく人数不足に悩まされている。早稲田大学や日本体育大学など、名だたる強豪校がひしめき合うこの大学リーグ1部の舞台において、ここまで人数が少ないチームは無いだろう。スポーツ推薦があるわけでは無いし、そもそも慶應義塾大学の入試は難易度が高い。内部進学者でサッカーを続ける人は少ないし、もちろんスポーツをやっている以上怪我は避けられないため、無念の離脱を強いられた選手もたくさんいる。様々な理由があって人数が少ないのだ。だから、セカンドキーパーの私がフィールドプレーヤーとして練習に参加し、試合に出場することになったとしてもそれ自体は驚くべきことでは無い。

ただ実際にはとても不甲斐ないことに、完全に割り切ってフィールドプレーヤーとして練習には取り組めなかった。キーパー陣がグラウンドの反対側で練習しているのに自分だけ離れたところにいて、本当に、本当に心の底から寂しかったし悔しかった。だが、ポジティブな気持ちを持って取り組んでいたことも確かだ。

『どのような状況であってもチームのために自分が出来るベストを尽くす』

これが、私がソッカー部員として過ごす中で一番大切にし、チーム、個人の勝利に繋がることだと信じてやってきたことである。

練習、試合前の準備は完璧に。練習では1分1秒すら無駄にせず学ぶ、成長に繋げる。動画を見て戦術、サッカーへの理解を深める。ピッチに立っているなら誰よりも勝利に貪欲な姿勢を見せる。ピッチに立てないなら声でみんなを鼓舞する。出来る限りのサポートをする。

“チームのために” “勝つために”

そう考えればフィールドとしての練習にも試合にも前向きな気持ちで臨むことが出来た。そもそも慶應のユニフォームに袖を通して闘えること自体、私にとって大きな意味を持つ。今まで試合に出場できなかった自分が、どんな形であれピッチ上で貢献できる機会をもらえたこと。先輩達が繋いできてくれた舞台に立てたこと。チームのために闘えること。本当に嬉しかった。それに、共に切磋琢磨してきた明日香(2年・十文字高)と一緒のピッチに立って闘うなんて普通はあり得ない話なので、武蔵丘短期大学戦の後半キックオフの前にはワクワクした。ワクワクしすぎて、本来であればグータッチするところを思わず手をガシッと掴んでしまったくらいだ。もちろん、ゴールキーパーとフィールドプレーヤーでは技術、フィジカルなど、求められるものが大きく変わる。いきなり適応するのは難しかった。だが、ゴールキーパーとしても、フィールドプレーヤーとしても『半端者』だった私は、チームのみんなに追いつこうと必死だった。

そしてそこから私はフィールドプレーヤーとして功績を残し…なんて上手くいくはずもなく。練習でミスをする、キーパー練習に参加できても上手くいかない、7年ぶりのフィールドプレーヤーで慣れない動きも入るため体が悲鳴をあげる、心ない言葉をかけられる。プレーが思い通りにいかないことに苛立ちや歯痒さを感じ、周りには「なんで誰も気持ちを分かってくれないんだ」と怒りや不満が溜まっていった。次第にチームメイト全員が敵に見えるようになり、「誰も私に期待していないなら、結果を残して全員見返してやる」と反骨心のみでプレーするようになった。

だがある日突然私の中で何かがプツッと切れた。ピッチ内で貢献できる選手で無いなら、ピッチ外で誰よりもチームに向き合うべきなのにそれを放棄した。チームメイトの私に対する視線も変わったことは感じていたが、心の底からどうでもよかった。「所詮自分はゴールキーパー/フィールドプレーヤーのスペアだから」と。

ソッカー部女子の公式戦名物、「のえの叫び」も影を潜めた。素直に「チームのために」と思えなくなった。そこからしばらくして、プレーできるフィールドプレーヤーの人数が増えたので、私はまた毎日の練習にゴールキーパーとして参加できるようになった。

その後、7月31日に行われた対帝京平成大学戦では先発フル出場することが出来、「やっとキーパーで試合に出られる!」という喜びに溢れ、「ここでゴールを守り切ってチャンスをものにしよう」と意気込んで久しぶりに前向きにサッカーに取り組めたはいいものの、結果は0-5の大敗。自分の力不足と不甲斐なさを改めて思い知らされた。またサッカーを心の底から楽しめることは無くなった。

しかし、最近ある言葉に出会った。

「今日の自分がしている事が、“明日なりたい自分”に繋がっているかを己に問え」

自然と頭の中で私のなりたい姿をイメージしていた。チームを勝利に導ける、守護神と呼ばれるような存在。私が尊敬する人達と同じくらいかっこいい先輩。そんな先輩達からも信頼されるような後輩。それが私のなりたい自分で、その理想像に向けて行動していきたいと考えるようになった。そこからチーム、サッカーへの向き合い方は変わったと思う。(時期を同じくして相談した先輩の存在がとても大きかったので、この場をお借りしてY先輩に感謝の意を伝えると共に、そういう頼れるかっこいい先輩になると改めて誓います)

まだまだ大きく自分を変えられたとは思わない。社会人スタッフ、チームメイトからの期待値や信頼度も変わっていないだろう。でも今日の自分の行動が明日の自分に繋がっているならば、全ての瞬間を大事にしながら、楽しみながら、緊張感と責任感を持って過ごしていこうと思う。その積み重ねで、いつか“なりたい自分”になれることを信じて。

ここまで非常に長く、拙い文章となってしまいましたがご覧いただきありがとうございました。この経験は私がダークサイドに近づいた瞬間(危うくベイダー卿になりかけるところでした)ではありますが、この経験を辛かったからといってなかったことにするのではなく、未来に生かす形で自分の中で消化できたのは本当に良かったなと思っています。12月5日に行われた1部2部入れ替え戦の結果を以て、今シーズンは降格という形で幕を閉じました。1部の舞台を繋げられなかったこと、笑顔で終われなかったこと、勝利の二文字を届けられなかったこと。悔いの残る形となってしまいましたが、どんなに打ちのめされようと進んでいくしかありません。荒鷲の誇りを胸に、先輩方の想いも背負って今後も闘い続けます。

TEAM2021を応援していただき、誠にありがとうございました。今後ともソッカー部女子に変わらぬご支援、ご声援の程宜しくお願い致します。

次のリレー日記を担当するのは同期の秦野くるみです。彼女は写真を撮るときは必ず(と書くと怒られそうなので60%くらいの確率で、ということにしておきましょう)背伸びをします。ですがリレー日記ではきっと等身大でありのままの彼女の想いを綴ってくれることでしょう。1年間副務としてチームの中心に居続け、一回りも二回りも成長した彼女が何を書くのか、とても楽しみです。

 

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