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ザンビア遠征レポート②(3年藤田椰也子)

ホームページをご覧の皆様、こんにちは。経済学部新3年の藤田椰也子です。
今回、長期オフの期間に男子部のザンビア遠征に参加させていただきました。大学の授業で人種差別や宗教や貧困、子供や女性の問題などの社会問題に触れる機会があり、知識を付けたその後にザンビア遠征に行ったことでより深く考えさせられることがありました。今回はその点についてお話させていただきます。

実際に大学の社会問題の講義では、事例を見て、解決策・法律や制度などを学び、それについての映画や動画を見ました。私はこの授業を通じて社会の問題を分かった気がしていました。そこで、「世界には色々な問題があり、自分のいる環境は恵まれているのだな」と感じました。事実を知り、漠然と分かったつもりになっていました。

ザンビアでは、7年間の義務教育の環境が整っています。しかし実際は、学校数が少なく、通える範囲に学校がなかったり、教科書が買えなかったり、事情があってストリートチルドレンにならざるを得ない子供もいたりして、全員が十分な教育を受けられている訳ではないようです。
今回の遠征で、私が教育や子供について考えさせられた出来事がいくつかありました。

1つ目はマーケットで感じた出来事です。
マーケットには、沢山のお店が並んでいますが、お土産のバリエーションが少なく、どこに行っても同じようなものが売られていました。私はこの売り方は効果的ではないと考えました。もし私がここでお土産を売るとしたら、他のお店にはない売り出し方を考えたり、他のお店にはない商品を置くなど、自分の店にしかないという特別感を売りにしたいと考えます。しかし、現地ではそのような気配は一切感じられず、マーケティング力が欠けていると感じました。これは、売り手の方が子供の時に十分な教育を受けられず大人になってしまったため、創造性が育まれなかったそうです。また、単純作業が主で複雑な作業は難しい為に、バリエーションが少なくなってしまうのだと伺いました。その他にも平日に街を歩いている私たちに物を売りつけてくる、押し売りのような商売をしている人が沢山いました。この人たちは物を売ることで生計を立てており、教育を受けることが出来れば、もっと生計が立てやすく、より生きやすくなるのではないだろうかと考えました。

2つ目は、小学校訪問で感じたことです。
小学校を訪問した際には、小学生だけでなく、その村に住んでいる沢山の子供たちが集まってきました。何人もの子供たちと交流することが出来ました。
その中で、制服を着ている子には英語が通じますが、制服を着ていない子供には簡単な英語さえ通じないことがありました。学校に通うことが出来ていないのです。同じようなところに住んでいる近所の子供なのに、学校に行ける子と行けない子。近くで大きな差があり、それが目に見えて現れていることが衝撃でした。学校に行けていない子供たちは現地語を話しますが、公用語の英語を話せないのです。オフィシャルな場で用いられている英語を話せるかどうかは大人になった時、自分がやりたいことの選択肢を狭めてしまうことにつながると考えます。
社会に出て、活躍したくても出来ない子供がいるかもしれないことは、小さい頃の環境によって左右されるのではないかと考えました。

3つ目は現地での交流についてです。
私たちが練習でお借りした養成学校のグラウンドには、練習している際に何人かの子供たちが遊びに来ました。その子供とリフティングや、とりかごをしました。サッカーを通じて一緒に時間を共有して笑顔になれました。子供たちは人懐っこくてかわいい、と思いました。しかし、その子たちはわたしの履いている靴が欲しいだけだったり、「なんでもいいからちょうだい」と言われたりして、「単純に楽しんでいただけではなかったんだな、、」と後から感じました。ですが、「靴が欲しい」や、「なんでもいいから欲しい」と言われたとき、私は何にも出来ませんでした。仮に私がその子に靴をあげても、それは私の自尊心を満たし、問題は解決されたように見えますが、貰えない子と貰えた子で喧嘩が起きたり、近くにいる大人に取られたりして、結局問題は解決しない、と言われました。直接的に問題を解決することは私には出来ないのだと痛感しました。
日本には物が溢れかえっているのに、どうして物は平等に分配されないのだろうかと考え込んでしまいました。

日本では当たり前に受けられる教育。近くに学校があって、教科書を使って学ぶのが普通です。私が小学生の時は、「なんで勉強しなきゃいけないんだろう、、?」と不思議に思っていました。勉強させられている、という受け身な姿勢、マイナスな気持ちで学習していることは非常にもったいないと感じました。例えば、一見自分には関係ないと思う歴史の授業は、歴史を学ぶことで過去に視野を広げて、国際関係や人間関係を学ぶことができ、自分自身に活かすことが出来たり、深みを得ることが出来ます。
しかし、教育を受けられないと、教育の大切さが分からず、自分の子供に教育を受けさせない環境が出来たり、教員・指導者が少なくなってしまうような負のサイクルが生み出されてしまいます。
制度や環境が整っていて、当たり前に学ぶことができ、それ以上のことにもチャレンジ出来る、この環境のありがたさを身をもって実感して帰ってきました。

 

私がザンビアに行きたいと思った理由は、ずっと続けてきたサッカーを通じて、新しい景色や風景を見て、将来何がしたいのか探したいと思っていたからです。
ザンビアに行く前、大学の講義で社会問題について考えたときには深いところまで考えませんでした。しかし、ザンビアに行って、色んな光景を自分の目で見て、感じて、考えが変わりました。そして今は、社会に貢献出来る人になりたいです。世界には問題を抱えて、困っている人がいます。私は、そのような人に協力し、助けられる人になりたいです。
今の私には何が出来るのか考えてみましたが、一学生として、人として、まだ何も出来ません。この先、自分を見つめてブランディングし、広い視野で物事を見つめられるようになりたいです。そして自分なりの形で社会に貢献します!

 

最後に、ザンビア遠征では、普通の旅行では出来ない沢山の貴重な経験が出来ました。それは、現地でサポートしてくれた中町さんや郷さんを始めとした、多くの方の支えがあったからです。関わってくださった方々に感謝しています。伊藤監督が“この遠征に行っただけで終わらせず、それを今後にどう活かすかが大事である“とおっしゃっていた様に、ザンビア遠征を今後のサッカー活動と共に、自分の価値観や将来に活かせる様、精進して参ります。
ご精読いただきありがとうございました。