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2018.01.25 引退ブログ

5分間に詰まった色々。(4年泉野玲)

365日24時間絶やすことなく汗を掻き、鼻の汗の掻き具合でその日のコンディションが分かる、先日見事な初ゴールを挙げた同期の荒木麻友からバトンを受け取りました、4年の泉野玲です。
嬉しかったことを記憶する用のメモリが異常に小さく、且つ常に上書き保存をしているようで、基本的にこの4年間、辛いことしか覚えていません。そんな私ですが絶対忘れてはいけない5分間があります。自身最後のリレー日記となる今回は、この5分に詰まっているもののお話を少しさせていただこうと思います。
TEAM2017ラストホーム戦、関東大学女子サッカーリーグ対山梨大学で出場したラスト5分間です。
呼ばれた瞬間から、脈が早くなって、涙で視界が霞みました。正直なところ緊張のあまり指示を聞きにベンチに駆け寄るだけで息切れしていました。そして、ピッチに足を踏み入れて、大学リーグに出る、という1年の頃から目標としていたことが最後の最後に、大事な下田グラウンドで叶いました。とても重い一歩でした。出ることが目標でどうするんだと、そう思われるかも知れません。私もそう思います。でも、大学リーグ出場とは程遠い位置にいた私にとって、出なければ何も始まらなくて、出なければピッチ上で成し遂げたいことも何一つとして達成出来ないのも事実でした。悔しいですが、出ることが、私があの段階で立てられた最大級の目標でした。
左SBでの出場でした。ベンチからの声でなのか観客席からの声でなのか、はたまた自分の意思でなのかは分かりませんが、上がれという言葉が終始聞こえました。攻撃への関わりたさあまりに、いいのかなぁとは一応思いつつSBとは思えない程高い位置でプレーをしていました。そして、いつもであれば下げろと怒鳴られるところを、私が上がったスペースを必死に埋めていた楓琳や、もの凄く疲れているはずなのに凄い距離を走ってカバーしに来る真子の姿が目に焼き付いています。上手いけど、何となく危うくて頼りなかった後輩たちが、知らず知らずのうちに強く頼もしくなっていたことを身を以って実感し、後々嬉しく思いました。
4年間努力家だと言われ続けました。1、2年生の頃は、玲が頑張っているから頑張ろうと思えるとか、玲の頑張りがチームを強くしていると言って下さる人も多くいて、努力することにも意味があるのだと思いました。しかし上級生になるにつれ、特に目立った結果も残せていない自分が受ける「努力家」という評価が重荷になりました。結果が出なければただひたすら虚しくて仕方なくて、努力家という本来褒め言葉であるはずのものが皮肉にしか聞こえてこなくなりました。そして、サッカー選手である以上、努力に意味があったことを周りに示さなければ意味がないと、ただ努力出来る人というレッテルはもういらないと自分に言い続けたのがこのラスト一年でした。
そう考え始めるきっかけの一部を下さったのは伊藤洋平現監督です。比較するわけではありませんが、岩崎前監督は影での取り組みを見て少なからず評価して下さる方でした。伊藤洋平現監督がそうではないという訳ではないですが、基本的に練習で評価を下す方で、表に見えて変わらなければ意味がないという考え方の監督だという認識をしています。それが、影で努力することに加えて、表に出すことの重要性、そしてただ努力が出来る人というレッテルを剥がす方法を考えるきっかけになりました。
賛否はあると思いますが。努力には二段階あるのだと考えます。まず影で積み重ね、その後表に出す、です。どちらか一方だけでは十分ではありません。
どれだけ見えないところで努力をしていてもその成果を表せなければ意味はない。ピッチ上で表さずして気付いて欲しいというのは言ってしまえば甘えで、都合の良い話だということに気が付きました。これは見えないところでした練習の成果云々の話だけではありません。勉学との両立、学連との両立、運営との両立、劇的な変化があろうがなかろうが、サッカーと両立する為に費やした時間全てを後ろ盾にして、自信とモチベーションに変えてピッチ上で体現しなければならないという意味です。積み重ねてきたものがあるというだけで、見えないところでの頑張りが、表へ示す為の頑張りの後押しをするのだと思いました。頑張っているからこそ、気付いて欲しい。じゃあ、気付いてもらう何かをしなければならないのです。そして、その何かが結果的にチームに影響を与え、評価に繋がっていくのです。
逆に肝心なところで頑張ろうとしても、積み重ねたものがなければ良いパフォーマンスを発揮することは出来ませんし、それを維持することも出来ません。今まで積み重ねてきたものがあるから、やれる。そう思えることがプレーに表れ、肝心なところで頑張れる一歩に繋がるのだと思いました。
これらを両方実行することでようやく努力の甲斐があったと言える様になるのだと考えます。
結局、出た5分間で何が出来たのかと聞かれれば、ボールに触った回数は1回で何も出来ませんでした。だけど、やってきたことをどんな形でも示さなければ意味がない、でもやれば必ず見てくれている人がいるという考えは確信に変わり、こうして勝手ながら残させていただいています。今見えないところで様々な努力している部員は多くいると思います。でもそれをピッチで表して欲しいですし、それが出来る位の努力をしてきていると思います。待っているだけでは数あるチャンスの数%しか舞い込んできません。自分の頑張りをプレーで体現して、自らチャンスを勝ち取って欲しいと心から思います。
前日のメンバー発表で自分のことの様に喜んでくれた人、交代のラスト1枠を笑顔で送り出してくれた人、泣きそうな私を笑顔でピッチに送り出してくれた人、私のカバーに奔走してくれた人、凄い声援を下さった観客席の方々、そしてどんなに悔しくても頑張れとハイタッチで送り出してくれた同期に感謝の念が尽きません。
サッカーが好きで頑張れました。成長した姿を見せたい人がいたから頑張れました。背中を押してくれる仲間がいたから頑張れました。諦めずに頑張って良かったと、全部がフラッシュバックした5分間でした。大げさかも知れませんが、私のサッカー人生の6年間全てが詰まった大事な、忘れてはいけないかけがえのない時間になりました。
最後、W昇格を決め6年間を締め括ります。ご声援の程宜しくお願い致します。
先日LINEでパソコンを持って来る様に頼んだらバンソウコウを持って来た、フットワークの軽さは一年の頃から変わらず、いつだってチームを笑顔で支え続けた同期の小茂鳥萌にバトンを引き継ぎます。最後にしてまとまりがなく延々と長く拙い文章でしたが、ご精読ありがとうございました。

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