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2025.10.31 引退ブログ

『勝利に飢えた、4年間。』(4年 小熊藤子)

ホームページをご覧の皆様、こんにちは。

今年度主将を務めさせていただいております、環境情報学部4年の小熊藤子です。

 

今シーズン主務を務め、ピッチ内外でチームを支え続けた中村美桜からバトンを受け継ぎました。1年生の頃から仲は良かったけれど、特に幹部になってからは、一緒に過ごす時間が長く、気が付けばいつも隣に美桜がいました。悩んだ時も、何か面白いことがあった時も、まず最初に美桜に話していた気がします。いつも親身になって話を聞いてくれて、時には答えまで導いてくれるその存在に、何度も救われました。そして、キーパーという苦しい選択をした彼女。その決断が美桜にとって「正解だった」と胸を張って言うことができるようにすることが、私の頑張る理由でした。ここまで支えてくれて本当にありがとう。

必ず優勝して、一緒に抱き合おうね。

 

今シーズン最後のリレー日記が、ついに私のもとに回ってきました。

この4年間、ソッカー部での濃密な時間を振り返ると、数えきれない程の経験が自分を成長させてくれました。最後はありのままの想いをこのリレー日記に綴りたいと思います。拙い文章ですが、最後までお読みいただければ幸いです。

 

 

私は、ソッカー部に入部以来、勝利に飢えていた。

その飢えは、単なる「勝ちたい」という欲ではなかった。

勝つために、自分のすべてを使い果たしたいという止めどなく溢れる渇望だった。

 

TEAM2024が終わり、主将を決める時期が訪れた時、私はこの3年間の大学サッカー生活を振り返った。

思い返す程に、それは苦しさともどかしさに満ちた日々だった。

 

高校までは、結果がすべての世界にいた。

一つのミスでスタメンを外され、隣の仲間は常にライバル。

試合は整った環境で行われ、ピッチに立てば勝つことが当然のように求められた。

しかし、大学に入ってその常識は簡単に崩れた。

ピッチ外での振る舞い、言動、姿勢がその人の評価を左右した。SNSの発信や試合運営までも、自分達の手で行わなければならない。「プレーだけでは通用しない」という現実に、私は衝撃を受けた。仲間との関わり方、言葉の使い方、役割への責任。異なる価値観をもつ人達とのぶつかり合い。そのすべてが、私に多くのことを教えてくれた。

少人数の部員全員でチームを運営することは、得難い経験となった。しかし、その学びがすぐに結果へ結びつくわけではなかった。どれだけ考えても、どれだけ話し合っても勝てない。その事実がただただ悔しかった。勝利は遠く、手の届かない存在のように感じられた。

「どうすれば勝てるのか」「何を変えれば勝てるのか」その問いが毎日のように頭を離れなかった。だが、今思えば、私はずっと逃げていた。結果が出ない理由を、心のどこかで人のせいにしていた。「自分じゃない」「前が点を取らないから悪い」そんな風に。現実から逃げていた。しかしながら、上級生になってから、少しずつ変わっていった。チームの結果を「他人事」ではなく「自分事」として感じるようになった。「自分が勝たせる」「自分がやらなきゃいけない」そう思った瞬間、心の奥に静かな火が灯った。そして、主将になる決意を固めた。何度も学年で話し合いを重ね、勝つためにどのようなチームを作るべきかを考えた。その中で、4年生として誰がどの立場でエネルギーを発揮すれば最大限の力を出せるのかを整理し、話し合いの末に、私が主将を任せてもらうことになった。

 

しかし、実際にTEAM2025がスタートしてみると、サッカー人生で初めて主将を任された私は不安でいっぱいだった。そんな私を支えてくれたのが、私の弱さも迷いも一番近くで見てきた同期達だ。

美桜は、フィールドからキーパーへ転向し、苦しい立場でも努力を積み重ね、チームに勢いを与えた。努力すればいくらでも成長できると信じる姿勢が、チーム全体の空気を変えていった。

芹には、沖縄遠征の途中での「もっとはっきり意思表示しないと、分からないよ。」という何気ない一言で、自分の至らなさに気が付かせてもらった。

そして、どんな時も真正面から向き合い、時に厳しい言葉をくれた葵。主将としての自覚がまだ足りなかった頃、リーグ戦開幕前にWEリーグチームの練習に参加していた際、私が主将としての自覚に欠けた発言や行動をしてしまい、彼女から「とうこが本気でこのチームを思っているなら、そんな行動はしない。残念。もう帰ってきてほしくない。一緒にプレーもしたくない」との厳しい言葉をもらった。あの言葉が、自分自身を改めて見つめ直すきっかけとなった。

彼女達同期は、厳しいアドバイスをくれる一方、いつだって、私を「主将」として扱ってくれた。その信頼が、強い支えだった。

そのような中、同期全員で話し合い、今年掲げたビジョンは、「賢く、泥臭く、虜にさせる」「考え抜き、準備し、細部にこだわり抜く。戦術的に賢く、最後まで泥臭く戦い、見る人を虜にさせる。」そのような思いを込めた言葉だった。

 

そして迎えたシーズン開幕。初戦の尚美学園大学戦は引き分け、続く国士舘大学戦では敗北。

「またこの流れか」と過去の悔しさが頭の片隅に浮かんだが、それでも私は「勝利に飢えている限り、この流れは変えられる。」「仲間とともに、ビジョン通り、賢く、そして泥臭く戦えば勝利できる」と信じていた。今シーズンの私達のピッチ内外での姿勢、練習の質、試合への準備。すべてにおいて「勝ちへのこだわり」が宿っていた。「勝ちたい」ではなく、「どうすれば勝てるか。」チームは考え、積み重ね、変化していった。第3戦の日本女子体育大学戦以降、勝つべくして勝つチームに成長し、目標としていた一部昇格も現実味を帯び始めた。

 

しかし、同時に、私の中には新たな不安が生まれていた。「自分は主将として、何をしているのか」「自分は本当に必要とされているのか」勝ち続ける程に、私は自分を見失いかけていた。でも、ある日ふと気が付いた。「そんな不安、どうでもいい。」「勝ちたい。」「このチームで勝ち続けたい。」その想いこそが、私のすべての原動力だった。役割や立場に縛られるより、勝利への「こだわり」を貫くこと。それが、私にとっての「主将」という生き方だった。迷って、悩んで、ぶつかりながらも、私は本気でこのチームの勝利を願っていた。不器用でも、逃げずに向き合った時間だけは、確かな誇りになった。

 

そんな時、何人もの後輩から言われた言葉がある。「藤子さん、自信持ってください。」その言葉を聞く度に、胸が少し締めつけられた。優しさなんかじゃない。

「ちゃんとやってくださいよ」という、まっすぐで痛い程正直なメッセージだったと思う。

主将として、自信のなさを見抜かれていたことが悔しかった。でも同時に、そうやって真正面から言ってくれる関係性が、このチームの強さでもあった。私が誰かを支え、誰かが私を支える。その循環が、TEAM2025を強くした。もう私は、「自分が引っ張らなきゃ」とは思わなくなっていた。「みんなで、このチームをつくる」そう思うことができるようになった。

一人で戦うより、仲間とともに勝ち取る勝利のほうが、何倍も価値があると知ったからだ。

 

そして、迎えようとしている最後の1試合。

全員の想いをひとつに、最後の笛が鳴るその瞬間まで走り抜きたい。今年は、苦しさや迷いの中でも「勝つ」ことにこだわり続けてきた。勝つためには、努力も覚悟も、仲間への信頼も、すべてが必要だと知った。どんな瞬間も「こだわる」を捨てずに積み重ねてきた日々。それこそが、私達TEAM2025の誇りだ。理想と現実の狭間でもがきながらも、全員で前に進み続けてきた。だからこそ、最後は必ず勝って、優勝して、今年を含めた4年間の苦しさが報われる形にしたい。負け続けても応援し続けてくれた人達に、結果で恩返しをしたい。そして、部員全員が「このチームで良かった」と心から思うことのできる、最高の試合にする。

 

勝つために、賢くあれ。

勝つために、泥臭くあれ。

そして、見る人の心を虜にするチームであれ。

その信念を胸に、私はTEAM2025を終えたい。

 

 

 

この4年間は、私にとってかけがえのない時間でした。

サッカーに打ち込み、仲間と共に泣き、笑い、悔しさを味わった日々は、どれも私の宝物です。ここまで成長できたのは、一緒に支え、励ましてくださった皆さんのおかげです。この場をお借りして感謝を述べさせてください。

 

テソンさん並びに社会人スタッフの皆様

テソンさんには、この4年間で人としても選手としても多くのことを教えていただきました。正直、心を見透かされるのが怖くてあまりコミュニケーションを取れず、先輩方に「もっと話しなさい」と言われた日々もありました。しかし、主将となり、プロでサッカーを続けることが決まってから、改めてテソンさんの人間性と考え方に深く感銘を受けました。

以前の私は、サッカーと社会を完全に分けて考え、大学までしかサッカーを続けないつもりでした。しかし、テソンさんを見ていると「サッカーでの経験を社会に活かせるし、社会での学びをサッカーに活かすこともできる」、考え方次第、自分次第で可能性は広がるのだと知りました。

そのおかげで、大好きなサッカーをこれからも続ける勇気を持つことができました。

 

そして、ハイクオリティな分析動画とともに戦術はもちろん色々なことの相談をさせてもらったタカさん。タカさんが来る木曜日は私のお悩み相談会のメンタル整えDAYとして毎週楽しみでした。まだまだお付き合いは続きそうなのでその時はよろしくお願いします。

 

女子部が好きでたまらないのに隠しているようで隠しきれていない福本さん。サッカーが全然うまくいかなくて悩んでいた時に「一回蹴りな。蹴れるんだから。」その一言に救われました。

 

女子部の活動に際し、多くのご支援とご声援をくださったOBOGの皆様、

お忙しい中、試合に足を運び尽力してくださった中田総監督、八木アドバイザー、

さらに紅白戦をはじめ女子部のために様々な場面でご協力くださった男子部グランドマネージャーの皆様、試合運営など女子部の活動を支えてくださった男子部の皆様、心から感謝申し上げます。結果という形で感謝を示せるよう頑張ります。

 

歴代の主将の方々。

TEAM2025が始動してから、そして主将になってから、毎週のようにご飯に連れて行っていただき、相談に乗ってくださり、本当にありがとうございました。皆さんのアドバイスや経験談があったからこそ、迷った時も前に進む勇気を持つことができました。この数年間達成できなかった1部昇格という目標も、必ずや達成し、恩返ししたいと思います。卒業しても、またご飯に連れて行ってください。

 

そしてチームのみんな

まずは後輩

特に言いたいことはありません(笑)。だって君達なら大丈夫だと思うので。今シーズンの大事な試合での君達の落ち着きや自信は、本当に頼もしかったです。

来年は1部で戦っているかもしれないし、また2部で戦うかもしれません。どちらにせよ、君達は上手いし賢いので、自信をもってリーグ戦を戦ってください。

私達が叶えられなかったインカレ出場も、ぜひ君達の力で達成してほしいです。心から応援しています。

それから、主将になった人は相談されても答えを出せるわけじゃないけど、話を聞くことはできます。困った時や悩んだ時は、遠慮せずに相談に来てくださいね。

苦しい時も嬉しい時も共にしたバック陣の恭佳、のんちゃん、ひかり。みんな最高で最強です。たくさんぶつかったけど最高に楽しいバックラインでした。これからの慶應を任せたよ。

 

次に同期。

今年1年、主将として何もできずにごめん。

それでも、ずっと声をかけ続け、正面からぶつかってくれて、本当にありがとう。

3人がそばにいてくれたから、迷いがあっても、困難に直面しても、前に進み続けることができた。この4年間、一緒に泣き、一緒に笑い、一緒に悔しみ、そして全力で取り組んできた日々は、私にとってかけがえのない宝物です。本当に、「この3人が同期で良かった」と、心の底から思っています。最後の最後まで、私達4人で全力を尽くし、笑って終わろう。

そして、一緒に最高の結果を手にしよう。必ず優勝しよう。

 

 

拙く纏まりのない文章になりましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。
ラスト1試合、もう少しだけ力を貸してください。今後とも慶應ソッカー部女子のご支援ご声援の程よろしくお願いいたします。

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