2024.09.23 部員ブログ
『サッカーの醍醐味』(3年 坂口芹)
ホームページをご覧の皆様、こんにちは。
高い技術と戦術眼で中盤を制す2年野口初奈からバトンを受け継ぎました、総合政策学部3年の坂口芹と申します。
大食いキャラはさておき、愛猫家という可愛いらしい一面を持ちながらも、ピッチ内では攻守でハードワークし続け、チームのために走れる、頼もしい存在です。センスに溢れたドリブルや相手を翻弄するサイドチェンジ、得点に繋がるスルーパスなど初奈のプレーにはいつも魅了されています。
後期最終節まで残り6試合、もっと特訓して左サイドのコンビネーションから沢山点取ろうね。
さて、入部してから時が経つのはあっという間で早くも3回目となるリレー日記が回って来ました。何を書こうか悩みましたが今回は私の思うサッカーの醍醐味について書かせていただきたいと思います。拙い文章ではございますが、最後までお読みいただけますと幸いです。
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これほどにも多くの感情を抱き、それを周囲の人たちと共有できるサッカーは最高だと、この組織に入部してよく感じるようになりました。
誰かがゴールを決めると、歓声が上がり、慶應ファミリー全員が一つになって喜びます。しかし、自分のミスが続いたり、試合の流れが悪くなり始めたりすると自分自身に怒りを覚え、試合に負けた時は、悔しい気持ちが込み上げてきます。
そのような苦しい展開でも、誰かの頑張りから前向きな声がピッチに響けばチームに勢いが蘇り、調子が上がるとサッカーは一段と楽しくなります。
これまでの私は、感情の起伏を他人に見せることがあまり好きではありませんでした。しかし今では、喜怒哀楽が揺れ動く素晴らしさに気が付き、一瞬一瞬の感情を仲間と共有できることがとても幸せです。特に、本塾はアットホームであたたかい雰囲気に包まれた組織であり、大学生になっても、自分自身の感情を曝け出せる環境に身を置けていることに感謝しています。
「『人』の一番の魅力って、やっぱり『むちゃくちゃムラがある』というところだと思います。」
これは、以前芸能人の西野亮廣さんのブログで目にした言葉です。彼は、「人間は道理・理屈よりも、『感情』の方がパフォーマンスに大きく影響してくるムラの塊である」という考えを示していました。サッカーに限らず、人々が行う全てのスポーツには、このような難しさと面白さが詰まっていると感じ、西野さんの言葉は強く印象に残り、今でも心に留めています。
スポーツは機械ではなく、人間が行うからこそミスが生まれ、エラーが起こります。特に足でボールを扱うサッカーでは、他の競技よりもミスが起こりやすく、技術的なムラも多く生じます。
しかし、この言葉を通じて、サッカーの醍醐味はまさに、人にしかない感情の揺れ動きというムラによって引き出されていると感じるようになりました。
例えば、思いやりのあるパスが来たら、自然と丁寧にプレーしようと思えるようになり、私も味方がプレーしやすいパスを出したくなります。私のミスを味方が身体を張って守ってくれたら、今度は私が味方を救うプレーをしようと思えます。サッカー中に限らず、どんな場面でも、チームや自分のために何かしてくれた仲間には、恩返しがしたいという気持ちが強くなり、自分にできることでどうにか力になりたいと思うようになります。ちょっとした工夫から生まれる親切な行動が、相手にいい感情を伝播させ、その後の行動にポジティブな影響を与えてくれるのです。
ただ、感情から湧き出されるムラの全てが好転的に活きてくるわけではありません。
思い描いていた試合運びができなくなるなど、想像と異なる状況を目の当たりにすると不安になり不満を表に出してしまいます。味方が苦しい時に自分を優先してしまう弱さも顔を出します。そのような負の感情や人としての弱さから生まれるムラによって、徐々に不安定になってしまいます。
そのような負の感情や不安定さを前に、何度も乗り越えることができているのは、同じ目標に向かって日々切磋琢磨しながら、様々な感情を共有している仲間の存在があるからだと思います。自分ひとりの感情を優先し、弱さや負の感情を表に出していいというわけではありません。誰かの気持ちが弱くなりかけた時こそ、弱さを巻き込むほどの勝利への執念を表に出し、声かけやプレーを通じて良い感情を伝播させ、チーム全体でいいムラを起こせられれば、組織として軸をぶらさず、一部昇格という目標に向かって心を燃やし続けられると思います。感情の起伏が現れるということは、決してマイナスなことではなく、寧ろそれが、人間らしさやスポーツの本質を形作るものであると考えます。ムラがあることこそが人の魅力であり、サッカーの醍醐味でもあると私は思います。
この組織は、隣にいる仲間の感情の小さな変化に気が付き、認め合い、補い合える人たちで溢れています。自分ひとりでは立ち直れず、いつも通りを取り戻すことができない状況でも、仲間がいるから、1人ではないから、目標に立ち返り、這いあがろうと思えるのです。感情を共有し合える仲間がいる環境、それを造ってくれるサッカーが大好きです。
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次は、持ち前のテクニックで相手を翻弄し、熱いプレーと声でチームに活気をもたらす、同期の守部葵にバトンを託します。葵はチームの雰囲気が良い時も悪い時も声を出してチームを鼓舞し、チーム全体のベクトルを合わせてくれる心強い存在です。
また、今年から葵が一人暮らしを始めてくれたおかげで、私のフットワークが軽くなり、一緒に過ごしたり話したりする時間が増え、これまでより充実した日吉ライフが送れています。誰よりも情熱的で人想いな彼女がどのようなことを綴ってくれるのか楽しみです。
纏まりのない文章ではございましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
今後とも、慶應ソッカー部女子へのご支援とご声援の程、よろしくお願いいたします。