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2024.10.07 部員ブログ

『苦しい』(3年 小熊藤子)

ホームページをご覧の皆様、こんにちは。

繊細なボールタッチで観客を沸かせ、私の肩の怪我にチーム1敏感な同期の守部葵からバトンを受け継ぎました、環境情報学部3年小熊藤子と申します。

葵と話し出したら止まらない。どうでも良いことを大爆笑しながら永遠に話す時もあれば、チームのことや戦術のことを真剣に話す時もある。そして、必ず話の最後にどちらかが(8割が葵)つまらないギャグを言い、お互い真顔で終わるというのがお決まりだ。

誰よりもチーム思いで、誰かのために尽力できる葵、最高です。

 

現在、今シーズンを振り返る際の最もふさわしい言葉は「苦しい」である。それ以外の言葉は見つからない。

今年のチームの船出は、新GKを選出するところからだった。部員全員がフィールドプレーヤーとして活躍し、チームに貢献したいという気持ちを持っているにも拘らず、1人は必ずGKの役割を担う必要がある。結論が出ないまま時間が過ぎるが、リーグ戦の開幕が刻々と迫ってくる。最終的にキーパーを選ぶ基準は、「誰に任せたいか。誰ならその人のために頑張れるか」だった。私が選んだのは同期の美桜だった。彼女は誰よりもサッカーを愛し、努力し、チームのために動ける人だ。そんな彼女に任せたい。彼女ならキーパーとして努力し続けてくれると思う一方、彼女からこの1年間、フィールドプレーヤーとしてのサッカー人生を奪っていいのか。これまでのチームの貢献度の高さが仇となってしまうのではないか。どんな選択が正しいのか、わからない。

 

苦しい。

 

このような感情を抱きつつ、シーズンの開幕を迎えた。「いいサッカーをしているが勝てない。」この言葉を多くの人から言われた。私達も試合を重ねるごとに理想としているサッカーに近づき、手応えを感じる内容の試合も多かった。しかし、結果が付いてこない。そしてチームとしての結果だけでなく自身のパフォーマンスも満足できるものではなかった。私のミスからの失点、あと一歩寄せていたら防げた失点、私が失点の原因となってしまったと感じることも多くあった。小学生の頃からセンターバックを経験し、失点に関与することが多く、ポジション柄仕方ないと自分自身で割り切ってきた部分もある。しかし、同じパターン、同じ時間帯での失点が今シーズンは多かった。改善したいがどうしたら良いかわからない。改善方法を提示してもらっても技術がなくて改善できない。だが、試合は待ってくれない。改善できないまま同じパターンで失点し、勝てる試合も勝てない。

 

苦しい。

 

サッカー人生初めての怪我。今まで、試合に出られない様な怪我をしたことがなかった。よく転び、よく相手に激突するが大きな怪我とは無縁だった。しかし、開幕3週間前に怪我を負った。開幕戦に出場することはできたものの、何も貢献することができず、怪我が悪化し、再度離脱となった。怪我の修復を待つ期間はできることが何も無く、ただただストレスが溜まる一方だった。我慢の限界で勝手にボールを蹴ったり走ったりしてトレーナーの方に注意された際に不貞腐れ、ついたあだ名は「小学生」。(ちなみに葵だけは私を肩星人というあだ名で呼んでいる。) 様々な人のおかげで試合に出場できるほどに回復するが試合の度に、また悪化することが何度もあった。試合という最も成長できる機会を欠場することに納得がいかず、欠場することでポジションを奪われるかもしれないという不安が襲う。でも、出場する度に痛みが増す。

 

苦しい。

 

何度振り返ってみても今シーズンは「苦しい」以外の言葉はやはり見つからない。でも「苦しさ」を乗り越えた先の勝利やサッカーは今まで感じたものがない程、格別なものだった。

前期の大東戦。勝利したことだけでも嬉しいが、勝利後に満面の笑顔の美桜とピッチ上でハグをして喜びを分かち合えたことがとても嬉しかった。彼女がキーパーという選択肢を選択してよかったと思えるように勝ち続けなくてはいけないと改めて思った。

怪我をしてから、練習ができること、試合に出場できることに喜びを感じるようになった。リハビリ期間はサッカーがしたくてもできない辛さや、試合中に何もできないもどかしさを感じた。私は短い期間だったがこれを半年、1年、それ以上リハビリを続けている人は本当に強い人間であり、心から尊敬する。ピッチに戻ったら彼女達に誇れるプレーをしなくてはならないと改めて思った。

そして、全く上手くいかない時期は苦しかったし、今も尚、苦しいが、この苦しみを感じることにも感謝するべきなのだ。プレーが上手くいかない。どうすれば良いかわからず、もがき苦しむ時間は尊いものなのだ。まずプレーできていることに感謝し、自分自身ができる最大限を出し続けなくてはいけないのだ。

苦しみ抜き、想像以上に高い壁にぶち当たった今シーズン。最後の4試合を勝って、「壁を登った」と自信を持って言えた時、そこには格別な喜びともう一段強くなった自分がいると思う。最後の1秒まで戦い抜くことを誓う。

 

次は、慶應守護神中村美桜にバトンを渡します。今年からキーパーを始め、日々驚異的なスピードで進化している美桜。今では佇まいからゴールキーパーらしい貫禄がある。

今年は特に、美桜にピッチ内外助けてもらってばかりです。ピッチ内では私のミスをスーパーセーブで助けてもらい、ピッチ外では副将として悩んでいた時に寄り添ってくれました。

これからも頼りにしています。

 

纏まりのない文章ではございましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

今後とも、慶應ソッカー部女子へのご支援とご声援の程、よろしくお願いいたします。

 

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