お問い合わせCONTACT
MENU

BLOG

部員ブログ

背景

2024.10.29 引退ブログ

『痕跡』(4年 長野真理加)

HPをご覧のみなさま、こんにちは。

ド天然発言で佳那ワールドを展開し、正午まで自主練を怠らない随一の努力家な同期の劔佳那からバトンを受け取りました。総合政策学部4年の長野真理加です。4年目にして漸く佳那特有のタイムトラベルな思考回路が読めるようになりました。ラスト数試合、掲載される頃にはもう1試合かな?一緒に頑張ろう。

 

さて昨年のリレー日記でも書きましたが、私の「3大ソッカー部で出来たら避けたいことリスト」は「周走」「身体測定」そして「リレー日記」です。今年はめでたく「周走」が「ペナ幅ダッシュ」に置き換えられましたが、依然として自分の思いを書き起こすリレー日記は苦手分野であることに変わりません。ですが流石にそろそろ締め切りにも向き合い、4年間を振り返っていこうと思います。


1年目

この年の私は関東大学サッカーリーグに加盟している大学生の中で1番ラッキーな選手だったと思う。部員数50名を超え、人生の大半の時間をサッカーにささげた選手が多く在籍する1部リーグ。群雄割拠の1部で出場機会に恵まれず、涙を流した選手も多くいる中、試合に(しかもスタメンで)出られたのは奇跡以外の何物でもない。しかし出場機会こそ得られるも一勝も貢献もできずチームは2部に降格。

 

2年目

試合出場0回の年。

絢弥はスーパーミドルシュートを東海大学戦で決め2年半ぶりの勝利に貢献。桜子はチーム内の得点王に輝くなど躍動の1年だった。私はリーグ戦の出場回数は0回、交代の序列も生まれ、焦りも感じたが同時に充実もしていた。4年間で1番成長が実感でき、サッカーが楽しい毎日だった。

 

3年目

焦りと後ろ向きの年。3月に絢弥が骨折し、5月に沙羅が靭帯再断裂。8月には桜子も骨折。佳那は慣れないキーパーにコンバート。半年間フィールドにいる3年生は私だけという孤独感。試合にも出ていない私が残った絶望感。4年目に繋げるために今年の積み重ねが重要だと話していた矢先の出来事で、ひどく落ちこんだことを覚えている。この時期の私は最悪で、自分の殻に閉じこもって、周りを見ることができていなかった。積み重ねのない自分に自信がなく、自己嫌悪に陥り、悪循環に入っていたのだと思う。思えばこの頃から時々胃が痛くなり逆流性食道炎の症状が出てきていたのかもしれない。本音を言えば“たかが”同期がいないくらいで、のはずなのだが、ずっとこんな思いが頭をよぎっていた。

「なんで自分よりも強い思いを持ってサッカーに取り組んでいる人の方が怪我をしたり大きな試練に見舞われたりするのだろう。」と。

 

「試合に出たい」その気持ちを大事にしてきたつもりだった。しかし段々と見えてくる残りのシーズン、自分の技量の限界。気が付けば「試合に出たい」よりも「ミスすることが怖い」という気持ちの方が強くなっていった。

頼りになる4年生になる、なんて口が裂けても言えない。自分に対する不信感、挙げだしたらきりがないほどのネガティブな感情を持ったまま4年生へと学年を進めた。

 

4年目

迎えた4年目。「原点回帰」を掲げ、「1部昇格」を目標にTEAM2024は始動した。前期では3連勝し、チームとしても私としても人生初の3連勝。大東文化大学戦後、美桜と抱き合うディフェンスラインの選手たちの姿が今でも目に焼き付いている。しかしその後チームは失速。「勝ち切りたい試合だったね」なんて言えるわけがなかった。これだけチームのために尽力し、ピッチ内で成果を出そうとひた走る選手たちの頑張りが報われないことが悲しかった。試合に出ていない自分はプレーする選手に声援を送ることしかできず、少しずつ掲げた目標が遠ざかっていくのを感じていた。

 

前期を折り返し、関西遠征明けに最後の早慶戦があった。ラスト1分という短い時間でもラストイヤーだからというお情けでいいから試合に出たかった。アップをし、応援の声をかけ、いつ呼ばれても良い準備をしていた。

早慶戦の終了のホイッスルが鳴ったとき。整列し拍手を送るベンチメンバーはみな涙を流していた。フィールドでは泣き崩れ、全身で悔しさを表現する選手がいた。早慶戦は終わった。閉会式の間も不思議と涙は出なかった。

式が終わり、片付けのためコーナーフラッグを回収しながらAGFフィールドをぐるりと一周した。そのとき、ゴール前の天然芝に残ったスパイク跡に気が付いた。「これは後半にピンチを防いだ藤子のスライディングの跡」「のんちゃんがシュートブロックしたときの跡」「恭佳がコーナーになるのを防いだ跡」

そんなグラウンドに刻み込まれたみんなの頑張りの痕跡をみて自分がひどく情けなく、流れた涙をフラッグを抱えながら拭った。同時にあと残り半分のシーズンで自分が何を残せるのか、残せないまま引退することに恐怖を感じた。

この1年間「何か残そう」と目指し、今も結局自分に何が残せるのかという確証はなく足掻き続けてきた。4年間は本当に長く、とても短かった。「サッカーが楽しい」というシンプルな感情だけではなかなか難しい4年間だった。残りの期間わずかな痕跡を残せるよう、日々自分と向き合い続けようと思う。

言い訳がましく聞こえるかもしれないが、落ち込んだり、コンディションが悪かったりする日は誰にでもあると思う。「100%で練習が出来なかった」結果としてそんな日があってもいいと思う。自分に向き合い少しでも“まし”な日にできるよう努力する姿勢さえあれば大丈夫なはずだ。変わり続けようとする努力はこのチームの誰かにきっと応えて貰える。ぜひこの先もこのチームに残る選手は存分に何かを残そうと努力することを恐れず挑戦を続けてほしい。


 

さて恒例の感謝パートへ移りたいと思います。

同期へ

沢山の迷惑をおかけしました。そして私を見捨てず全力で向き合ってくれてありがとう。この4人が同期で本当に良かった。私以外の全員が長期離脱を経験し、長く苦しんだ代だと思っています。みんなの頑張りを一番長い間見てきたので、報われてほしかったし、1部昇格したかった。この思いは後輩に託しましょう。

絢弥へ

大きな怪我と病を乗り越えチームに戻ってきて、どんなときも寄り添ってくれてありがとう。同期を代表して帯同する来年2月(仮)の沖縄遠征(未定)まで現役として頑張ってください。

らこへ

いつも一緒にいすぎてリレー日記で改めて言いたいことは特にありません。年明けのハーフマラソン頑張りましょう、末永くこれからもよろしく!

沙羅へ

計画性と勤勉さに本当に頭が下がります。主務業務・リハビリと二足の草鞋を履き、大変だったと思います。大怪我を何度も経験しながらもチームに帰って来てくれてありがとう。

佳那へ

佳那が初めてのスタメンで挑んだ武蔵丘短期大学戦で勝った時、踊り出しそうなくらい嬉しかった!同期全員が泣いていましたが、あまりに佳那が号泣するので並んで整列していた私と絢弥の涙が引っ込んだのは内緒です。

 

ところで私が同期グルに送った「みんなで卒業旅行に行こ!」という文章に早く返事を下さい。切実に。誰でもいいので。

 

後輩のみんなへ

私からあまり有益なアドバイスはありません。「人生相談は梨咲子にする」くらいでしょうか。下の代はサッカーセンスと個性の塊ばかりで、毎日笑顔になれて最高に楽しかったです。今年の経験を糧に来年絶対強いチームができると思います。試合もたくさん観にいくので「また来たの?」とウザがらずに温かく歓迎してください。特に藤子と芹辺り。

朱花、瑞季へ

小学校ぶりのサッカーからソッカー部へ飛び込んできてくれてありがとう。練習する度にぐんぐん成長する姿はこの1年弱本当に刺激になりました。二人のまっすぐで素直なサッカーと向き合う気持ちを大切にして、この調子で進化していってください。二人の活躍をリーグ戦の舞台で観られる日を今から楽しみにしています。

SFC高校出身勢へ

美桜へ

今年は挑戦と困難に満ちた1年だったと思います。2月の沖縄遠征のキーパーミーティングのあと「どんなことでも絶対に逃げ出さないって決めてるので大丈夫です」と言っていたことをよく覚えています。逃げずに向き合うひたむきな美桜の努力・姿勢は絶対に報われるので、自信を持って頑張って!成長した美桜の復帰戦、すごく楽しみにしています。

日和へ

勝手に直属の後輩認定し、勝手に静岡の星認定をしてすみませんでした。そして高校時代はこんなに愉快な子だとは存じ上げていませんでした。残りわずかですが、ぜひもう少しだけ心を開いてくれたらとても嬉しいです。同部屋の子に似た、ハングリー精神あふれる日和の熱いプレー期待しています!

彩夏へ

朝練のとき入れ替わりで彩夏に挨拶をするのがルーティンとなっていたので、それもあと少しと思うと寂しいです。今年は特にしょうもない広報用のデザインの相談に乗ってくれてありがとう。爆速で返信してくれるので大変助かりました。

 

今後ソッカー部へ入部を考えている人へ

サッカーに集中・上達する環境として最高のものが揃っていると思います。最高の指導者の元スキルアップできるはずです。部員はみんな温かくいい人ばかりで、チームを思って行動できる人が多いです。初心者でも意欲さえあれば大丈夫です。勇気を出して、ぜひこの環境にチャレンジしに来てください。

 

社会人スタッフのみなさまへ

テソンさん、たかさん、福本さん

選手ファーストの温かい指導をありがとうございました。ピッチ外でも試合の振り返りや分析など多く学びと気付きを得ることが出来ました。

中田さん、八木さん

今年も多くの試合応援に来てくださりありがとうございます。末永く女子部のことを、よろしくお願いいたします。

男子部スタッフ陣のみなさま

紅白戦や、応援関連で非常にお世話になりました。ありがとうございます。グラマネの子たちもありがとう。

理紗さん、あやか

今年は特に怪我関連でお世話になりました。本当にありがとう。この部活には無理をしたりする選手が多いので、変わらず面倒を見てあげてください。

 

両親へ

お母さん

特にこの1年は喧嘩してばかりでした。たくさんの迷惑と心配を掛けてしまったと思います。仕事がとても忙しいのに時間を作って試合の応援に来てくれてありがとう。子育てもひと段落、ぜひお母さんのビジネスに集中してください。もちろん事業の成功を祈っていますが、いきなり「明後日から2週間アメリカ(バンコク、上海、ドイツ、スイスetc…)!」などの通達はおやめください。報連相は早めにお願いします。

お父さん

練習試合でも公式戦でも駆けつけてくれてありがとう。なぜアップ開始には必ずいるのか聞いた時「だって真理加は試合に出るか分からないから、アップの練習を観に来ているんだ」と言われたときは思わず微妙な顔をしてしまいました。練習試合で10分でも出た日は家でもご機嫌そうで、私まで嬉しくなりました。車もぶつけまくっても練習させてくれてありがとう。おかげでグラウンド工事期間に部荷物を運ぶ、絢弥が入院するとき寮から関東労災病院まで送る、入院中の沙羅のお見舞いに行く、朝6時半に桜子を駅まで迎えに行く、雨の日に佳那を家の前まで送るなど誰かを助けることが出来たと思います。若干いいように使われている気がしなくもないですが。

 

さて感謝は述べても述べ足りないほどですがそろそろ長くなるので締め括りたいと思います。最後になりましたが、今後とも慶應ソッカー部女子への温かいご声援のほど、よろしくお願いいたします。

 

次は2年間副将として、ピッチ内では誰よりも本気で自分自身と向き合い続けた同期の大橋桜子にバトンを託します。桜子とはミーティングでは正論パンチで、ボールキープではフィジカルでボコボコにされるという割とはっきりとした上下関係のもと交友を続けてきました。弊まりかタクシーの顧客であり、幼稚舎の星であり、キレッキレのドリブラーの彼女が最後のリレー日記で何を語るのか。ぜひご期待ください!

WHAT'S NEW

新着情報