2025.04.29 部員ブログ
『一期一会』(1年 山田葵)
リレー日記をご覧の皆様、初めまして。
チームの要として、闘争心あふれるプレーと鉄壁の守備でチームを牽引し、正確無比なロングフィードで数々のチャンスを演出する頼れる主将、小熊藤子からバトンを受け継ぎました、総合政策学部1年の山田葵と申します。
今回は初めてのリレー日記ということで、私のこれまでのサッカー人生、特に私自身を大きく成長させてくれた高校3年間を中心に、出会うことの出来た仲間やお世話になった先生への感謝の思いを綴らせていただきます。拙い文章ではありますが、最後までお付き合いいただけますと幸いです。
私は、父と2つ上の兄の影響で、3歳の頃にサッカーを始めました。最初は兄が所属していた少年団の練習についていき、ただ見ているだけでしたが、気付けば自然とボールを蹴るようになっていました。それからは、ただただ「楽しい」という気持ちに突き動かされるようにサッカーにのめり込んでいきました。毎日夢中でボールを追いかけ、日が暮れるまで練習する、そのような日々を送っていました。
中学ではノジマステラ神奈川相模原アヴェニーレに入団しましたが、思い描いていた理想と現実は異なり、3年間試合に出場出来ない日々が続きました。メンバー外は当たり前、仮にメンバーに入ったとしても試合に出ることが出来ない。そのような日々の中で、サッカーの楽しさを見失いつつありました。ノジマステラのユースに昇格することは出来ず、次の進路を考え始めた頃、両親に初めて「サッカーを辞めたい」と口にしたことを今でも覚えています。それでも、応援してくれている多くの方々の支えもあり、再びサッカーを続けることを決意しました。そして、さらなる自立と成長を目指して、親元を離れ、宮城県の聖和学園高校に進学することを選びました。この決断は、私にとって人生最大とも言えるほど大きな決断でした。「本当にこれでいいのか」「後悔はしないか」何度も自分自身に自問自答し、悩み苦しんだ末に出した答えでした。しかし、そのような不安をよそに、聖和で過ごした3年間は、私を大きく成長させてくれました。
サッカーができる環境が決して当たり前ではないこと、多くの人に応援され支えられていること、両親の存在の大きさにも気が付くことが出来ました。また、宮城県代表として国体に出場させていただくなど、中学生の頃に叶えることが出来なかった「全国大会のピッチに立つ」という夢も実現することが出来ました。悔しい思いも、辛い経験もたくさんありましたが、サッカー以上に大切なことを学ぶことが出来た3年間だったと感じています。
今では、あのとき自分自身で下した決断は決して間違っていなかったと、胸を張って言うことが出来ます。そして、どんなときも私の決断を尊重し、支え続けてくれた家族に心から感謝しています。
そのような高校3年間の中で、私の人生に大きな影響を与えてくれた2つの出会いがありました。
1つ目は、最高の同期と出会えたことです。
私を含め、同期15人中11人が末っ子という、なかなか珍しい学年でした。私達の代はサッカーでも学校生活でも、迷惑をかけることが多く、何度も監督や先輩に怒られました。怒られすぎて、もはや呆れられていたとも思います。それでも、仲間思いで心優しい人達ばかり、どの学年よりも仲が良かったと思います。どんなに辛い時でも互いに励まし合い、支え合い、そして高め合える存在でした。家族以上に長い時間を共に過ごし、毎日笑いが絶えない日々を送れたことに、感謝しかありません。楽しいことよりも、辛いことの方が遥かに多かった3年間を乗り越えられたのは、間違いなく同期のおかげです。第二の家族とも言える最高の仲間と出会えたことは、私にとってかけがえのない財産であり、誇りです。
2つ目は、聖和学園高校女子サッカー部の顧問である佐々木先生と出会い、本塾に挑戦する機会をいただいたことです。
3年生になり、進路面談で志望校を決め切ることが出来ず悩んでいた私に、「慶應はどうだ?」「慶應に行って人生を変えなさい」そう背中を押してくれたのが佐々木先生でした。顧問でありながら、3年生全員の進路指導を担当し、練習参加の手配や志望理由書の添削、面接練習まで、全面的にご支援いただきました。先生ご自身も授業の準備や部活動の指導、その他の業務で多忙を極めていたはずです。それでも、いつでも親身に相談に乗ってくださり、あらゆる面で全力でサポートしていただきました。佐々木先生がいなければ、本塾に入学するなど夢のまた夢であり、到底実現出来なかったと思います。自分の時間を犠牲にしてまで、他人の人生と本気で向き合える佐々木先生と出会えたことに、心から感謝しています。
これまでのサッカー人生を振り返ると、多くの挫折を経験してきました。それでも、これらの経験は決して無駄ではなく、いつか必ず意味のあるものだったと思える日が来ると信じています。
「これからが、これまでを決める。」
この言葉を胸に、本塾での4年間をこれまでのサッカー人生の意味を見出せる、そのような時間にしていきたいと思います。慶應ソッカー部女子という素晴らしい組織の一員となることが出来たことに心から感謝し、「一部昇格」という目標の達成に向けて、常に自分自身にベクトルを向け続け、日々成長し、勝利のために全力を尽くすことをここに誓い、私のリレー日記とさせていただきます。
次は一見しっかり者に見えて、少し抜けた一面もある唯一の同期、森原日胡です。試合になると落ち着いたプレーと精度の高いスルーパスで中盤に安定感をもたらす彼女にバトンを託します。
拙い文章ではありましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。今後とも、慶應ソッカー部女子へのご支援とご声援のほどよろしくお願いいたします。

